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インテリアデザイン手法『抜け』

ヴォイド〔Void〕は、吹抜けの意味で建築用語として知られています。

インテリアデザイン手法としてのヴォイドも近いニュアンスとして用いられ、建築家やインテリアデザイナーがよく口にする『抜け感』を作るという手法になります。

具体的には、10m以上奥行が「見える」空間の構成になります。

なぜ「10m」かというと人のパーソナルスペースの最大値の平均が10mだからです。

公衆距離:3.5m以上

社会距離:1.2m~3.5m

固体距離:45㎝~1.2m

密接距離:0㎝~45㎝

これがパーソナルスペースの基本的な考え方で、特に『ヴォイド』に関しては、公衆距離の最大値の10mがポイントになります。

ちなみに10mという数字は「追いかけられても逃げられる距離」ということから来ているそうです。

「危険予知のために必要な視覚的距離の確保」=「心地よさ」ということで「ヴォイド」一番の要点です。

具体例を紹介していきます。

①垂直方向のVoid

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天井で10mの抜けを作るのは難しいですが、一般的な戸建て住宅の2階までで5m~6m程度の抜けは作ることができます。

②平行方向のVoid

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施設や規模の大きい店舗では平行方向のVoidの構成は可能になるケースがあります。

③距離足りない場合

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奥行を作りたい場所に鏡を設置することで、実際のスペースの倍の奥行を構成することができます。

④鏡すら設置できない場合

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平均的な広さ30坪~35坪程度の住宅の場合、奥行を作ることが難しいケースがあります。

その場合、お庭にデッキを作ったり、天井を作ってあげることで「視覚の連続性」が生まれ、「奥行があると錯覚」します。

素材や高さを揃えるのがポイントです。

【まとめ】

一番のポイントは、「視線の終着点を作る」です。

空のように無限の広がりを感じるような構成の仕方では、「抜け感」を感じることができません。

10m先に視線を止める物質の配置が重要になる手法です。

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