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高次脳機能障害を抱えていくこと

高次脳機能障害が理解されない原因の一つは知られていないことだと思っています。だから友人・知人に説明しないと理解されないことは仕方がないと思っています。
ただ話しても理解してもらえないのは‥悲しいです。

そんな中で疑問に思うことは、何故医療機関で理解されないのか、配慮もしてもらえないのかということ。少しでも高次脳機能障害が理解されたらと思っています。

第一印象

昨年から起き始めた身体の異変。ちょっとしたこと、例えば靴のインソールを変えただけでひどい筋肉痛に襲われるようになりました。

そこに加えて左右の肩に肩関節周囲炎を起こし、気分は24時間戦えますか?という感じで痛みと向き合う日々となりました。

肩関節周囲炎の方は2ヶ月に1度、関節内注射を受けています。が、痛みは内服薬と湿布では追いつかず、ペインクリニックでのトリガーポイント注射を考えました。

ネットで検索し通いやすいところを訪れてみると、口コミ通りとても感じの良い先生でほっとしました。

これまでの経過と高次脳機能障害があるので配慮をお願いしたい旨を記した夫の手紙を渡すと
「大丈夫ですよ」
とにこやかに対応してくれました。そして週に1度注射に通うこととなりました。

週に1度から2度へ

トリガーポイントは一回の診療で3カ所まで注射ができるとか。あちこち痛い私は三箇所に絞ることがとても大変でした。

週に1度注射に通っていましたが、痛そうな私を見て
「痛みの強い時は週に2回来てもいいですよ」
と先生に言われました。
いつも笑顔でお話し下さるので、ありがたいなと思いつつ通っていました。

リハビリが始まって

「肩関節周囲炎はリハビリで根治を」
整形外科でそう言われていたので11月半ばからペインクリニックで肩のリハビリも受けることになりました。
何度かリハビリに通ううちに「実は腰の痛みもある」と話すとそちらも合わせてリハビリしましょうとなりました。

週に2回、1回に3単位のリハビリ。通うのは大変だけれど痛みが良くならばと頑張って通ってみることにしました。

部屋の外から見たことはあったけれど実際にリハビリ室に入ってみてちょっとびっくり。

ずらっと並んだベッドが8台ほど。特に仕切りもなく患者さんがベッドに横になり施術を受けている姿は壮観でした。

私が通されたのは一番奥の端のベッド。高次脳機能障害のため光や音に弱い私はちょっとホッとしました。

ところが実際に施術を受けてみるとすぐそばが診察室であることに気がつきました。しかも扉はなく仕切りはカーテンのみ。先生と患者さんのやりとりが全部聞こえてくる場所でした。

そして、近くのベッドからは療法士さんと患者さんのやりとりも聞こえてくるので注意障害のある私の頭は混乱状態でした。

街中などで困る時は耳栓をしてやり過ごすのですが、自分も施術を受けるので当然、療法士さんとやりとりをしなければなりません。

色んな人の声が飛び交う中で1時間、担当の人と会話をしながらのリハビリとなりました。

リハビリ後の診察

診察も注射も全て予約制の病院なので、リハビリが入る前は病院に着くとすぐに注射を受けることができました。ところがリハビリが入り、診察や注射はリハビリ後ということになりました。

注射だけ受けに来ていた時には先生とスムーズに会話し、痛みのことや注射を打ってほしい箇所などをちゃんと伝えることができていました。

ところがリハビリ後に注射を受けるようになってから先生と意思の疎通を図ることが難しくなってしまいました。

それは恐らく1時間、話し声が飛び交う中でリハビリを受けることで私の頭がパンパンになってしまうからではないかと思います。

それまではきちんと伝えられていた注射の箇所。ところが打って欲しいところと違う箇所になってしまうことが続き、何度も訴えるうちに
「前回も同じこと言ってましたよね。でもちゃんと言われたところに打ってますよ」
ちょっとイラっとした口調で言われてしまいました。

注射の休止を視野に

今まで行った病院の中でもいい先生だと思っています。
注射だけを受けている時はいつも変わらない温厚なかたでした。なのにコミュニケーションが取れなくなってしまった。それは私の側の問題なんだろうなと思っています。

障害なんだからちゃんと対応して欲しい。そういう気持ちがないわけではありません。しかし、高次脳機能障害らしいとわかってもう一年が過ぎました。わかってもらえないことに対する諦めもちょっとついてきました。

そして頭がスパークした状態で無理をすると感情が暴走しがちなこともわかって来ました。

このままリハビリ後に診察を受けていたら、何かの機会に感情が止まらなくなるかもしれない。そんな予測もできるようになりました。

だからしばらく診察や注射はお休みしようかなと思っています。
トリガーポイントを受けるメリットと、感情が止められなくなるデメリットを天秤にかけた結果です。

障害を抱えながら生きていくとはこういうことなのだなと思う今日この頃です。
何で医療の場で理解がされないのかという悔しい気持ちは当然ありますが、これが現実なんですよね。

こんな風にブログを書くことでどれだけ高次脳機能障害が理解されるのかは分かりませんが、誰かが高次脳機能障害を知るきっかけになればと思っています。