リハビリの夜明け

ある日突然くも膜下出血を起こし後遺症を持つ身となったアラフィフ女性です。急性期病院や回…

リハビリの夜明け

ある日突然くも膜下出血を起こし後遺症を持つ身となったアラフィフ女性です。急性期病院や回復期病棟のことなど主に綴っていきたいと思います。 ブログ名は熊谷先生の「リハビリの夜」をもじってつけさせていただきました。タイトルとすることに快諾してくださった先生に御礼申し上げます。

マガジン

  • 日々の気づき

    くも膜下出血を経験したことによって大きく人生が変わりました。 だから「退院してから感じたこと」との区別が難しいと思いつつ、 日々感じたあれこれはここにまとめようと思います。

  • 雑記

    取り留めのない、頭に浮かんだことをまとめました。

  • 退院してから感じたこと

    退院したら入院中には気が付かなかったいろんなことに気付き、気付かされました。 そんなことを忘れないうちに書いていきたいと思います。

  • リハビリ記録(リハフィット)

    お世話になっている自費リハビリ施設リハフィットに関する記事です。 リハビリの中で感じたあれこれを書いています。

  • zoom勉強会

    他職種によるzoom勉強会に参加した感想です。

最近の記事

感受性の向かう先

いつの頃からでしょうか? "何とかなる" と思えるようになったのは。 回復期を退院した年の年末に原因不明の痛みに襲われ救急搬送されて以来、少し動くと身体のあちこちが痛むようになりました。 そこに脳疲労が重なると、ちょっとした外出で何日も動けなくなるようになりました。 家で大人しくしていれば疲れることも痛みが出ることもない。だったらもう出かけない方がいいのでは?と何度も思いました。 くも膜下出血を起こし、人間いつ何があるかわからないからやりたいことを精一杯やろう。そう思

    • 私の障害受容

      「日常生活に支障はない」そう言われて退院した回復期。 くも膜下出血発症で止まった時間を取り戻せると思っていました。 けれども退院した私を待ち構えていたのは、高次脳機能障害により支障だらけとなった日常生活でした。 "料理がしたい、夫に好きなものをいっぱい作ってあげたい" 入院中から思っていました。 ところが料理が出来ない。 キッチンで、手順がわからず立ち尽くしたり、忘れたままの料理が電子レンジに残されているのを見て泣き崩れたりしました。 手芸道具を取り出しても何をどうし

      • 信頼関係の第一歩

        不安な気持ち 2年前のこの時期は、ちょうど急性期から回復期の病院へと転院した頃でした。 担当療法士さんが若くノリの軽い感じの人になり、リハビリ内容も180度変わったため戸惑っていたことを懐かしく思います。 何度か回復期については書いていますが、今でも思い出すと残念に、そして口惜しく感じることがあります。 それでも以前のようにやりきれない思いに駆られずに済んでいるのは、少しずつ消化出来ているからなのかもしれません。 現在は理学療法・作業療法ともに自費のリハビリ施設にお

        • 他人の人生のよう‥

          Xで、脳卒中後「自分の身体なのに他人の身体のように感じる」や「現実味が薄いと感じる」といったポストやコメントを拝見しました。 私も回復期で同じような症状がありました。 自分の人生のはずなのにどこか他人の人生を見ているようで"生きている実感がない"そう悩んでいました。 それで看護師さんに悩みを打ち明けたところ、 「何も言えずに死んで行った人もいるんだから」 と早々に話を打ち切られてしまい、以後病院スタッフに相談出来なくなりました。 けれどもそんな状態が続くことが不安で、知

        感受性の向かう先

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        • 雑記
          23本
        • 日々の気づき
          66本
        • 退院してから感じたこと
          32本
        • リハビリ記録(リハフィット)
          27本
        • zoom勉強会
          3本
        • こころの深呼吸
          2本

        記事

          患者を前に向かせるもの

          自費の理学療法士さんのところにリハビリに行って来ました。 このところ心配だったことを相談したら、わかりやすい説明と共に心配ないことをはっきり言って頂けて安心しました。 実は明日から旅行の予定なのですが、その前に心配事を払拭出来て本当に良かったです。 リハビリの終わりに 「明日からの旅行で何か不安なことはありますか?」 と聞かれました。 深く考えることもなく 「特にありません」そう答えていました。 そういえば、昨年の秋の旅行の際は身体の痛みや脳疲労が心配で最後まで行く

          患者を前に向かせるもの

          リハビリでの嬉しい出来事

          自費の作業療法士さんにお世話になって半年ほどが過ぎました。 行く度、作業療法の幅広さに驚かされます。 回復期では作業療法の時間もひたすら筋トレで重いボールを持ち上げたり足に錘を付けて歩いたりするばかりだったので、こちらに通って初めて作業療法というものに触れた気がしています。 通院で高次脳機能障害のリハビリを受けたこともありますが、そこではひたすらプリントをするばかりでした。最寄駅から遠く通うのが大変だったこともありますが、単調なリハビリと一向に生活の質の向上に結びつかない

          リハビリでの嬉しい出来事

          当たり前なんて思っていない

          何かで障害者が話題になると 「障害者はやってもらって当たり前と思っている」 「自分たちの税金で暮らしているのに」 そんな声を耳にします。 その度に私は反発を覚えます。 だれも当たり前だなんて思っていないと。 Xで当事者の方たちと交流して感じます。 みんな働こうと必死です。 自分のことは自分でできる様に リハビリに必死です。 どうしてか。 人の世話になっていたいと 思っていないからではないでしょうか。 くも膜下出血で倒れ 気がつけば病院でした。 おむつを替えてもらい

          当たり前なんて思っていない

          伝えることを諦めずに!

          昨日は土用の丑の日でしたね。 皆さんは鰻召し上がりましたか? 以前、秋刀魚の蒲焼を食卓に出したことがありました。食卓についた夫が「給料日でもないのに今日は鰻か?」と喜んで口にし、食べてもなお秋刀魚と気が付かなかった経緯があり、以来我が家では勿体無くて鰻は食卓に上らなくなりました💦 そういう夫なので食事にはうるさくなく、買って来たお惣菜を並べても文句を言われることはありません。 けれども、得意な訳ではありませんが私は料理が好きです。家族が手料理を美味しいと言って食べてくれ

          伝えることを諦めずに!

          呪いの言葉?

          "障害受容" 出来ていないと言われた どうしたらできるのか? 出来なくて苦しい 障害受容にまつわるポストを度々目にします。 私も苦しみました。いや、過去形ではないですね‥ でも、以前より気持ちは楽になりました。 それでも、私にとって「障害受容」という言葉は未だ呪いの言葉のように思えています。 障害受容にまつわることは時間をかけて整理したいと考えていますが、とりあえず今思っているのは "障害受容という言葉は患者の耳に入れるべきなのか?" ということです。 正確なことは

          言葉の大切さ

          先月終わりに冊子を丸々一冊音訳して欲しいと打診されました。期限は今年いっぱい。半年あるので大丈夫と判断し、思い切ってお引き受けすることにしました。 高次脳機能障害のため一度は諦めた音訳でしたが、今春、ふとしたご縁で新しい団体に「読むだけでいいので」と声をかけて頂き、音訳に復帰することが出来ました。 これまでに2度ほど広報を音訳しました。久々の録音に緊張しましたが、それよりも復帰出来た喜びが大きく自信につながりました。 そして今回の冊子、1人で一冊を任されたことは私にはと

          障害受容について

          第8回〈en〉勉強会に参加しました。 (zoom勉強会から名称が変更となりました) 今回は当事者セラピストの方のお話でした。 当事者と医療従事者、両方の視点を持つ方のお話を同じ医療職の方々はどんな気持ちで聞いておられたのかちょっと気になりました。 全体の感想 全体のお話を聞いて、当たり前ですがセラピストといっても一患者なのだなと思いました。 入院中に感じるのはプライバシーの問題やナースコールを押すことへのためらいだったり、話を聞いてもらうことの嬉しさだったりと何ら私た

          障害受容について

          医療従事者の言葉

          前回のリハビリで「自主トレをしておいてください」と座って行うトレーニング方法を教わりました。 しかし悲しいかな高次脳機能障害のせい(と思いたい💦)で座って行うはずのトレーニングを家では寝た状態で行っていました。 先日、リハビリで 「では座って、おうちで行って下さいとお願いした自主トレをやってみて下さい」 そう言われ "え?座って?え???" と激しく動揺しました。 そして 「あ、あの座ってではなく、横になってだと思って寝たままやってしまいました」 しどろもどろになりなが

          医療従事者の言葉

          夢の国

          明日、夢の国に行く予定です。 実は一年前、発症日が怖いので現実逃避のために計画しました。けれども、音と光に溢れる場所であることや乗り物で痛みが悪化する懸念があったため、療法士さんと相談し断念しました。 それから一年。 この間、何度か旅行に出かけたりしました。 行きたい気持ちはあるので計画はするのですが、痛みや疲れでまた動けなくなるのでは?と不安になりいつも躊躇して諦めようとしていました。 その度、療法士さんが旅行の行程を確認して休憩を取るところや避けるべきポイントをア

          障害者の気持ちはわからない?

          障害者としての人生を歩む中で、家族に気持ちをわかってもらえないと感じることがあり、そのやるせない思いをポストしたことがあります。 すると当事者の方々が共感するコメントを寄せて下さいました。 こういう思いを抱えるのは自分だけじゃないんだと安堵した記憶があります。 寄せられたコメントの中に 障害者の気持ちは健常者にはわからないです。 家族や療法士さんにも理解されないです。 このようなものがあり、私は二つのことを考えました。 自分が家族に言われたらどう思うだろうか? 一緒に

          障害者の気持ちはわからない?

          発症日に思うこと

          くも膜下出血を起こして丸2年が経ちました。 振り返れば長かったような短かったような‥ 血圧もコレステロールも正常値。毎年の健康診断で何一つ引っかかったことのない自分がまさか脳卒中になるとは思いもしませんでした。 明日はどうなるかわからない。だから "これからは悔いのないようにやりたいことをやろう"そう思って回復期を退院しました。 ところが、ないとされていた高次脳機能障害のせいで、やりたいことどころかやって来たことさえ出来ない。日常生活に不都合が生じる事態に愕然としました

          発症日に思うこと

          第三者を交えること

          くも膜下出血を発症後、特に回復期を退院してから夫とすれ違うことが幾度となくありました。 その多くは高次脳機能障害にまつわるもので、目に見えない障害であるが故にその本質や苦しさをなかなか理解してもらえませんでした。 そのため、退院後2ヶ月頃からお世話になっている自費リハビリの理学療法士さんには、夫に高次脳機能障害について説明をしてもらったり私への対応方法を話してもらったりしました。 また、今年からお世話になっている自費リハビリの作業療法士さんにも、お願いして夫と3人で一緒

          第三者を交えること