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リハビリを嫌にさせないで

リハビリの時、療法士さんと何を話しますか?
そんな問いかけをxでしてみた。

リハビリのことだけじゃなく、日々の困り事や時事ネタ、本の話などなど。リハビリしながらいろんな話をしているのだとコメントを楽しく読ませて頂きました。

そんな中、お一人の方が
"ほとんど会話がなく運動が苦手なのでリハビリが苦痛で"
そう書かれていました。

それを見て、私も回復期リハビリの時間が苦痛だったことを思い出しました。

私は類稀なる運動音痴で小さい時から体育が嫌いでした。身体を動かす事が嫌いというより恥をかかされる体育の時間が嫌いでした。

以前、北欧の小学校の先生が日本の学校を視察するというテレビ番組を見ました。体育の授業を見学した北欧の先生が
「体育は健康な身体を作るため、運動の楽しさを知ってもらう授業なのにこれでは運動嫌いを作る授業だ」
そんなことを言っていたのが記憶に残っています。

私は北欧の先生に賛成です。
皆の前で、跳び箱が跳べないことや鉄棒で逆上がりが出来ないことを披露させられ、団体競技ではクラスメイトに同じチームになってがっかりされる。
そんな思いを繰り返したら、運動が嫌いになるのも無理ないのではないでしょうか?
テレビを見て、もっと運動の楽しさを教える授業になるといいなと思いました。

そして、大人になって学校という場から離れ、運動が出来ない惨めさのことなどすっかり忘れた頃に、またその思いをする羽目になろうとは考えもしませんでした。

回復期で行われたリハビリの毎日。
飛べないジャンプ、麻痺した左足がなかなかついて来ないラダー、線の上を歩けない継ぎ足。

「筋力が足りないんだよ」
と失敗する度笑われ、筋トレの負荷が上がっていきました。

「片足立ちの50代平均は〇〇秒なのに」
片足立ちをやったらそんなことを言われました。

奮起させようというつもりだったのかもしれませんが、寝たきりの期間が長く、麻痺がある身体です。
「出来ないからここにいるのに‥」
そう思いました。

理学療法士さんってスポーツをやっていた方が多い印象があります。だから運動が出来ない人の気持ちがわからないのかななんて思いました。

でも、おかしいと思うんですよね。リハビリってスポーツではないのに、どうして運動の出来不出来が関わって来るのでしょうか?

むしろ、運動が苦手な人にどういうリハビリなら嫌にならないか考え、提案するのも療法士さんの大事な仕事なのではないでしょうか?

それでも、入院中は嫌でも時間がくればリハビリをします。
私は早く退院したい一心で自主トレにも励みました。

でもそれは"退院"がゴールだったからで、家に帰って、ゴールインしてしまえばリハビリする意味は無くなってしまいます。

身体を動かすことが好きではない人に、退院後も無理なく続けられるリハビリを提案することは療法士さんにとって大事な仕事の一つではないのかなと思います。