子どもの学びから考えること
あんなに暑かった9月が終わると一気に秋の風が吹き始めて、秋の到来を感じる季節になった。酷暑の影響があったものの、山は色づき、豊かな実りを知らせる頼りが届いてきた。
さて、みなさんは自分の育った場所、あるいは今いる場所の郷土料理について語ることができますか?
今年度栄養教諭実習の実習生の先生を受け入れることになった。学校給食の実際を学ぶと同時に、食育にまつわる授業を行うことになった。その先生が持ち込んだ題材が郷土料理を大切にするというものだった。
通学地域が隣接する市町村にまたがり、また保護者の出身が多地域にわたる本校の実態を踏まえた時に郷土をどう捉えるかは子どもたちにとっても指導する我々にとっても見えにくいと感じていた。
しかしながら、子どもたちは、郷土料理に意外と食いつき、中学校の子どもたちに郷土料理の体験の様子を聞きにいった。そこで思いを高めた子どもたちは、地域で郷土料理の伝承に携わる人たちのもとを訪れ、調理の体験を行ってきた。
3種類の料理を作ってきたが、どの料理にも豪雪地帯を生き抜く知恵が詰まっていた。体験を通して子どもたちは周りにいる人たちに、これまでの学びを伝えたいと動き始めている。
これまでの流れを振り返って、何が子どもたちの原動力になっているのかを考えている。要所要所で子どもたちは人と出会ってきた。
コロナ禍のなかで、人との接触が制限されるなかでそうした体験をしてこなかった子どもたちだからこそ、意図的にせよ、偶発的にせよ出会った人から感じ取ることが学びを進めるきっかけになったのだと思う。
人を通して人磨かれる
若い時、何かで読んだのか、先輩から教わったのか定かではないが、そんな言葉を思い出した。たくさんの出会いがあるからこそ成長があるのだと思う。学校は、後期が始まり、一年も折り返しまだ半分。
これからどんな人と出会えるのか楽しみである。 今 伸仁
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