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「先生、図書館のおく、くらいからこわい。」
「本だなの上の方の本が見たいけど、本だなが高くて届かない。」
と言う子どもたちの声。
「新しく本を購入しても、配架する本棚が足りません。」
「書棚を買いたくても、高くて買うのは難しいです。」
とは、先生方の声。

 実は、年々、蔵書が増え、書棚が足りなって書棚の上の方に配架するようになり、小学生には届かない高さまで使うようになった一方、作り付けの書棚が2メートル近くあり、光が入らないので、学校図書館が暗くなっていました。

 「この二つの声をいっぺんに解決しよう。」と、学校図書館大改造案が急上昇。教育委員会に聞いてみると、作り付けの書棚を切っても構わないとのことだったので、実行決定。今回はその顛末をお送りします。

(1)      書棚の本の移動とマスキング


 スタートは金曜日の午後、スクールサポートスタッフで本校の図書館ボランティアもして下さっている方が全て手配して下さり、分類番号を違えないように職員も協力して本を取り出しました。そして、本が残っている書棚が汚れないようにビニールとテープでマスキングも完了。

(2)      切断は、おやじの会

 2日後の日曜日、学校のおやじの会に協力していただき、電動のこで、上から2段目と3段目の真ん中で真横に切断してもらいました。上半分は、縦80センチ、奥行き70センチ、幅5メートルとなりました。それを下ろして移動。終わってみれば、切断にかかった時間は2時間ほどでしたが、「本当に切ってしまった。」「もう後戻りできない。」という感じでした。

(3)      ペンキで、カラフルに

 休み明けの月曜日、図書委員会の子たちは、この光景を見てびっくりしていました。そこで、
「4つの本棚にペンキを塗るよ。何色がいいかな。」と聞いてみると
「赤がかっこいい。」
「水色はあかるくていいんじゃない。」
「黄色かな。」
「クリーム色もいいかも。」
とアイデアがでたので、即採用。

(4)      ペンキ塗りは図書委員全員で完了

 一週間後の月曜日の委員会活動の時間に図書委員全員でペンキ塗りに挑戦。最初は緊張していましたが、
「失敗したら大変かも、集中、集中!」
「ペンキ塗りって楽しい、どんどんカラフルになっていく。」
「青も赤も黄色も若草色もそれぞれ、学校の図書室にぴったり。」
と話ながら、とっても上手に仕上げてくれました。やりながら、自分たちがこの大改造をやっているんだという満足感を感じているようでした。

(5)      明るくなった学校図書館

 この書棚がなければ、奥まで光が入るのに、とは思っていましたが、実際に書棚がなくなると、驚くほど明るくなりました。そして、ペンキを塗ったおかげもあって、カラフルな学校図書館に様変わりです。上半分の書棚も移動し、配架できたので、蔵書もスッキリ整理でき、余裕もできました。

(6)      かかった経費は、5000円

 学校図書館大改造、終わってみれば、かかった経費は、ペンキ4缶分の5000円ほどでした。ペンキも半分程しか使っていないので、実際はもっと安かったかもしれません。新しくこのサイズの書棚を購入するには、10万円以上かかったところでしたから、大違いでした。
 そして、何より、図書委員会の子どもたちやおやじの会、職員と一緒にこの大改造をやり遂げたことが大きな財産だと感じました。子どもたちの声を実現できてよかった、よかった。

 大変身した図書館を見て、教頭先生が一言、
「すごい実行力だ、すばらしい。」
うれしかったなあ。
                             
大賀重樹


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