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【子ども】どうして子どものコロナ感染に関するデータは解釈しにくいの?(Adios Corona翻訳)

 ちょっと間が開いてしまったAdios Corona拙訳。子ども関連の記事は、今回を含めて残り6本です。年内に訳しきることを目標にします。
 今回は、子どものコロナ感染データの解釈について。前回と内容が重なるところもあります。原文は最後に載せています。

↓訳文ここから。

どうして子どものコロナ感染に関するデータは解釈しにくいの?

 子どもがコロナ拡大に及ぼす影響について、入手可能なデータの解釈が難しいのは、無症状が多いのと、流行し始めた頃にかかった子どもがほとんどいなかったと考えられるためです。

 最近の研究では、子どもは大人と同様に感染するとされていますが、以前の研究では、大人の2~3分の1しかかからないとされています。「子どもがコロナ拡大に及ぼす影響は? 分かっていることは何?」をご覧ください。なぜこのような違いがあるのでしょう? それは、2つの現象から、子どもについての感染症のデータの解釈が難しいからです。

※筆者注釈: 「2つの現象」とありますが、この先に述べられる理由は4つです。途中で記事が追加されたのかも……?

 1つ目は、集団内のウィルス拡大における子どもの重要性が、時と場合によって変わることです。子どもに関する感染症の研究の多くは、ウィルスが通常の集団の中で大流行しているときや、学校が開いているときのものではありません。そういった研究は学校が閉鎖していたときに行われたからです(外出自粛期間や休暇中)。さらに、そういった研究が行われたのは流行の最初の段階です。その頃は、ウィルスが主に大人によってもたらされていました。大人は子どもよりも移動の機会があり、平均すると、子どもよりも他の大人に接触していたからです。「子どもがコロナ拡大に及ぼす影響は? 分かっていることは何?」をご覧ください。

 2つ目に、感染した子どもの数が少なく見積もられる要因があることです。

・検査を受ける主な理由の1つは、コロナの症状があるかどうかです。しかし、子どもはしばしば無症状です(「コロナにかかった子どもの症状はどんなもの?」をご覧ください)。感染した子どもはあまり検査されず、大人よりも陽性率が低くなる結果に繋がっています。

・国によっては、検査が大人に対してのみ行われたり、小さな子ども(10歳未満)についてはほぼ検査されていないこともあります。一つには、子どもが鼻腔用の綿棒を嫌がるからです。これも、潜在的に子どもの陽性が検出されにくい原因になっています。

・大人の検査結果が陽性だったとき、周りにいた子どもは濃厚接触者として検査されるでしょう。しかし、先に子どもが感染していて、無症状のままでおり、大人にうつしたというケースも考えられるのです。もしPCR検査が、子どもがウィルスから回復していた後に行われたとしたら、子どもは陰性に見えてしまうでしょう。

 3つ目に、家族内での子どもの感染率は、学校に行っているときの感染率を反映していないことです。外出自粛期間と休暇中に行われた、中国とイスラエルの5つの研究が、同じ家庭内での子どもと大人の新型コロナウィルス感染リスクを比較しています。これらの研究では、ウィルスを持っている人との接触では、子どもは大人よりと比べて2~3分の1しか感染しない(検査でコロナ陽性とされない)とされていました。しかし、家庭内ではパートナー同士が、明らかに子供を含めた他の家族よりも接触が多い傾向があることを考慮に入れなくてはなりません。これらの研究のうち、こういった要素を考慮に入れ、配偶者を除外している研究は1つだけでした。ここでも、子どもの感染リスクは大人よりも低いものとなっていました。したがって、学校の外では、子どもは大人よりもコロナに感染しにくい可能性があります。子どもが学校に行けば、社会的接触は増え、感染リスクを高めるかもしれません。

 4つ目に、子どもの感染率は低く見積もられている可能性があることです。先に述べたように、コロナウィルスの家庭内感染は、実は大人が子どもから感染しているのに、誤って大人から感染したとされているケースがあります。これは、子どもの感染率が少なく見積もられることに繋がります。

 結論として、子どもは大人と同じように感染するとしている研究がある一方、2~3分の1しか感染しないとしている研究もあります。しかし、先に述べたように、感染した、または感染している子どもの数は、多くの理由から少なく見積もられている可能性があります。この問題には、まだ共通の見解がありません。一方で、子どもがコロナウィルスに感染し、他の子どもにも大人にも感染させる可能性があるのは、疑いようのないことです。

↓原文はこちら。

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