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あなたの作品が受け入れられないのはなぜか

崖っぷち作家のニジマルカです。

何か作品を作っている人は多いと思います。

発表しても反応がなかったり、受け入れられないと落ち込んでしまいますよね。

どうして受け入れられないのでしょうか?

これは私自身がいつも悩んでいることです。

今回は作品が受け入れられない理由についての話です。



「受け入れられる」とはどういうことか

まず、「受け入れられる」とはどういうことか、考えておきましょう。

これは単純に言って、の問題です。

どんな作品でも、「これを待っていた!」「大好き!」と言う人は必ずいます。

ただ、そういう人が多いか少ないかだけの話です。

それぞれの環境や出版形態によって、「受け入れてもらえたな」と満足できる基準の数があると思います。

たとえば、私がいるエンタメ小説ジャンルでは、文庫で7000部くらい売れれば「わりと上手くいった」と言えるでしょう。

ネット小説でも、ポイント数で考えることができます。

たとえば代表的なネット小説サイトだと、昔は書籍化ラインが3万ポイントと言われていました。
(いまはわかりません。ポイントでは考えにくくなっている気もします)

ですから、そのくらいまでいけば「上手くいった」と言っていいと思います。

このように、それぞれの基準数に達すれば「受け入れられた」、そうでなければ「受け入れられなかった」として話を進めていきます。


なぜ受け入れられないのか

さて、出版したり、ネットに公開しても、基準数に達しなかったとします。

何冊出しても、何作公開しても、まったく売れないし、ポイントも入らないのです。

どうして、あなたの作品は受け入れられないのでしょうか?

簡単に言うと、「濃すぎる」からです。

「濃すぎる」というのは、「作者の個性が出すぎている」という意味です。

「作者の好きなものを書きすぎている」と言ってもいいです。


ここで、読者の分布をグラフで示してみましょう。

こんな感じだと思います。↓

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縦軸は人口、横軸の「薄い」「濃い」というのは、マニア度みたいなものだと考えればいいです。

ものすごく「濃いマニア」も、なんにも興味がない「薄い人」も、あまりいません。

多いのは常に「ほどほどの人たち」です。

「普通の人たち」と言ってもいいですね。


「受け入れられる」というのはの問題でした。

数というのは、読者や消費者の人口のことです。

つまり、「受け入れられる」というのは、人口分布で最も多い「ほどほどの人たち」に消費されることを言うのです。


作家とは濃い人たち

おわかりだと思いますが、作家というのは「濃い」領域の人たちです。

妄想だけで10万文字書ける人というのは、世間から見れば変人です。

そもそも、何かを表現して発表する人自体が、珍しい存在なのです。

「濃い人」がそのまま書くと、その作品も必ず「濃く」なってしまいます。

すると、「ほどほどの人たち」が求めるものからは、遠ざかってしまうのですね。

味付けが濃くなりすぎるのです。


濃い味が好きな人は必ずいます。

ですが、上のグラフを見てわかるとおり、そういう人は数が少ないのです。

単純に言って、これが、あなたの作品が受け入れられない(消費者の数が少ない)理由です。


受け入れられるにはどうすればいいか

では、どうすれば受け入れられるでしょうか?

簡単です。

薄めましょう。


個性を消し、奇抜な表現をやめ、話を定形にし、読者の欲望に従い、自分の主張をおさえ、味付けを薄くするのです。

図で示すとこんな感じです。↓

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作家は何も考えなければ、必ず「濃い」ものを書いてしまいます。

そういう生き物なのです。

「自分は薄いものを書いている」と思っている人でも、実際にはかなり濃いものを書いていると考えた方がいいでしょう。


ですから、できるだけ、薄くするのです。

今、売れている作家さんも、デビュー当初はもっとどぎつい、濃いものを書いていたはずです。

ですが、何作も書いていくうちに、薄くしても大丈夫、それどころか薄い方が受け入れられるということに気づくのだと思います。

もっと言えば、「薄くできなければ、売れずに消えることになる」くらいに考えてもいいでしょうね。


ますます薄めていくしかない

今は作品が多すぎて、消費者には時間がなく、1つ1つの作品にエネルギーをかけられません。

結果として、薄いものしか食べている暇がないのでしょう。

この傾向はこれからも続くはずです。

ですから、作家は、今後ますます作品を薄めていく必要があると思います。

あるいは、こういう考え方もあるかもしれません。

・薄い作品でお金を稼ぎ
・濃い作品は趣味で書く

いまでは作品を発表する場がたくさんありますから、販売用と趣味用に分ける手もあると思います。

ひょっとすると、本当に書きたかった濃い作品が、何かの拍子に売れるかもしれません。

こう考えれば、たくさん書ける人にとっては、良い世の中になったとも言えるかもしれませんね。


今回のまとめ

作品が受け入れられない理由についてでした。

1.「受け入れられる」とは数の問題
2.「受け入れられる」とは多くの「ほどほどの人たち」に消費されること
3.作家は濃いものを書きがち
4.受け入れられるには薄めるしかない
5.薄い作品と濃い作品を書き分けていくやり方もありそう

ひとまず個性を殺して、できるだけ薄めてから、ほんの少しだけ自分の味を足すくらいがバランスとしてはいいのかもしれません。

それではまたくまー。



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