見出し画像

やる気出ない問題に対処する〜小説のちょっとしたコツ

崖っぷち作家のニジマルカです。

小説のちょっとしたコツや小技をご紹介するシリーズ。

今回は「やる気出ない問題に対処する」です。


やる気が出ないとき

どうしても書く気が起きないときがありますよね。

たまにそういう日があってもいいですが、慢性的にやる気が出ないようなら対処が必要です。


私もずいぶん「やる気出ない問題」で悩みましたが、やる気については以下くらいをわかっておくと、わりと対処できると思います。

  1. やる気への認識を改める

  2. 問題の難易度

  3. 学習性無力の場合

それぞれ見ていきましょう。


1.やる気への認識を改める

やる気への認識を改めるのが一番簡単です。

私たちは「やる気」という概念に振り回されすぎています。

何か行動を起こすときに、「やる気」というエネルギーが必要だと勘違いさせられているのです。

これは日ごろから「やる気を出せ」とか「やる気が足りない」とか言われ続けてきた結果だと思います。

もはや有害な概念と言えるでしょう。


やる気は行動するためのエネルギーではありません。

行動した後に起こる興奮のことです。

もし科学的にそうではなかったとしても、そう思い込んだ方が遥かにましです。


つまり、

やる気というエネルギーが出て → 行動する

のではなく、

行動すると → やる気っぽい気分が起こる

ということです。


行動を起こす前にやる気など出ないと考えましょう。

行動すると、脳がやる気が出たっぽくなるだけです。

未来に得られるであろう結果を期待した脳が、事前に興奮することを「やる気」と言っているのではないかと思います。


ですから対処法は「3分だけやる」です。

やりたくなくても、3分だけやってみましょう。

むしろ、「3分しかやらない」と決めてもいいですね。

3分やってみて、続けてやろうと思わなければ、止めればいいです。

ですが、3分くらいやると、不思議と続けることができます。


やる気が出ないことを言い訳にするくらいなら、やる気は行動の原因ではなく結果だと考えた方が健全でしょう。


2.問題の難易度

取り組んでいる問題の難易度が高すぎても低すぎても、挑戦する意欲が削がれます。

簡単すぎることも、難しすぎることも、やろうとは思わないからです。

「なんだか最近意欲が湧かないなあ……」と思っているなら、問題が簡単すぎるか、難しすぎるのかもしれません。


そういうときの対処法は「適切な難易度の問題に取り組む」です。

いま取り組んでいる問題の難易度を確認してみましょう。

5段階くらいで評価するといいかもしれません。

1:簡単すぎる2:簡単3:標準4:難しい5:超難しい


おそらく4〜4.5くらいの問題が取り組むにはちょうどいいと思います。

たとえば自分について言えば、

  • 長編を書く      :3標準

  • 別ジャンルの長編を書く:4難しい

  • 別の新人賞に挑戦する :4難しい〜5超難しい

  • 大ヒットさせる    :5超難しい

といった感じでしょうか。

ですから、意欲が落ちてきたらやるべきなのは、

  • 別ジャンルの長編を書く

  • 別の新人賞に挑戦する

ことでしょうね。


自分もそうですが、同じジャンルばかり、短いもの、または長いものばかり書いている人が多いと思います。

そういう人が「なんか停滞してきたなあ…」と思ったら、別ジャンルや、書いていない長さの小説に挑戦してみると、心を意欲の高い状態に保てます。


3.学習性無力の場合

たぶん、一番やっかいなのが学習性無力です。

学習性無力感とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。

Wikipedia

私はもうちょっと軽く、「何度やっても結果が得られないとき、挑戦すること自体しなくなる」くらいに考えています。


たとえば自分の場合なら、

  • 何度出しても企画が通らないとき

  • 本がぜんぜん売れないとき

などが続くと、こうなることがあります。


こういうことがずっと続くと、次第に無気力になっていきます。

そして、しまいには担当さんや読者、世間を恨むようになるのですね。

「どうしてわからないんだ?」
「担当が無能だからだ!」
「読者に見る目がないのが原因だ」
「私はいつも理解されない……」


こういった状態を一言でいうと、「拗ねている」状態です。

「拗ねる」と、奇妙なことに行動しなくなるのですね。

行動しないことで、世間に罰を与えようとするのです。

「もう企画を出してやるもんか!」
「もう書いてやらないからな!」

まったく罰になっていないのですが、とにかく迷惑を掛けて、自分の価値を証明しようとするのです。


こういう状態になってしまったら、そこから抜け出すのはかなり苦労します。

まずは「拗ねている」状態に気づくのが先決です。

「なにもやる気がしなくなる」「常に怒りがある」「誰もわかってくれないという疎外感」「どうせやっても無駄だという無力感」などが主な症状でしょう。


自分がこういう状態にあると気づいたら、一度対象から離れた方がいいです。

たとえば対象が小説なら、一度小説から離れましょう。

対処法は「新しいことをすること」です。


なんでもいいので、いままでやったことがないことをするのが、この状態を改善するのにとても役立ちます。

自分の趣味に合うもので、それほど難易度が高くなく、かといって簡単すぎない対象を選ぶのがコツです。

実は、私がnoteをやり始めたのも、自分が拗ねていると気づいたからだったりします。


この状態のときに必要なのは、おそらく自然な肯定感でしょう。

新しいことに挑戦したときは、多少結果がまずくても「何とかできたな」と思えるものです。

自分の失敗に寛大になるとともに、行動できたことへの肯定の感情が自然に湧いてくるので、心のリハビリになるのでしょう。


無力感が高じて周囲を敵視し始めたら、何か新しいことをしてみてください。

それだけで、辛い時期を乗り越えられるでしょう。


今回のまとめ

小説のちょっとしたコツ「やる気出ない問題に対処する」でした。

  1. やる気は行動の原因ではなく結果だと考える

  2. 停滞してきたら、適切な難易度の問題に取り組む

  3. 無力感から拗ね始めたら、新しいことをやる

これくらい知っておけば、やる気問題に振り回されずに済むと思います。

それではまたくまー。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?