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読書記録をつけよう!(子供編)

読書記録をつけると、自分の読書生活の振り返りができたり、読んだ本のことがより深く記憶に残ったりする良さがあります。

昨日の記事では、「まずは自分が読書記録をつけよう」ということを書きました。

今日は、子供が取り組む読書記録についてまとめてみたいと思います。

1.読書記録の形式

まずは、どんな形式のものを使用するかです。

1・2年生なら、日付とタイトルと一言感想。
3年生以上は、日付、タイトル、一言感想に加えて、作者、ページ数を記入させてきました。(ページ数を累計します。)
1年生ははじめの頃は字が書けないので、2学期くらいから取り組むのがよいと思います。

何冊書き込めるようにするかもポイントです。それが読書の目標になる可能性があるからです。
特に低学年は、読書記録1冊目終了!などの節目があるとそこで意識が高まります。

私は、低学年担任の時は50冊または100冊読んだら1冊が終了する形式。3年生以上では、20冊記入できて、それを超えたら新しいページを貼り足していくという形式にしていました。

低学年用

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中・高学年用

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(題名と作者の下の欄は一言感想。ちょっと感想コーナーが小さいので、これをアレンジする人は感想コーナーを少し広げてくださいね。右側のページ数は、上段にその本のページ数、下段にこれまでの累計ページ数を記入。)

2.フィードバック

何より大切なのはフィードバックです。ただ渡して、「活用してね。」と言ってもやる気がわかない子がたくさんいます。

読書記録をつけるよさは、読んだ本についてアウトプットすることで記憶に残るということ読書生活の振り返りができることだと思います。

そのために、私は読書記録を月に1回くらい提出させていました。読書の様子を観察することと合わせて、この子は今どういう読書レベルなのか把握します。記録をつけていなくてもどんどん読んでいる子もいれば、図書の時間のほとんどを本探しに費やし、読書を避けている子もいます。

月に1度読書記録を集める際に、子供の状況を把握すると共に、個に応じたサポートを考えます。集めるとなると、「先生に出す日までにこの前読んだ本のことを書いておこう」と意識することにもなります。
「長い本が読めるようになってきたね。冊数は増えにくくなるけど、文章が多い本も読めるってすごいことだよ。」
「いとうひろしさんの本おもしろいよね。そういう本が好きなら、次はこれを読んでみたら?」
「どの本も『おもしろかった』って書いてあるね。おもしろい本がたくさん読めてよかったね。こっちの本はどんなところがおもしろかった?じゃあそれを書いてみようか。」
こんな感じで声をかけます。時間が取れない場合は読書記録に付箋を貼り、コメントするのもよいです。

どんなことを一言感想のところに書けばいいかわからない子もいるので、うまく書けている子に了承を得て全体で紹介することも効果的です。記録を書くことの意味や価値も伝えていきます。

学期末には読書生活の振り返りを書かせます。読書記録を見返して、自分の読書について意識できるようにします。

3.読書ノート

読書記録では、一言しか感想が書けません。もっとこの本について書きたいことがあったのにスペースが小さくて書けないという子供たちの声が聞こえてくることがあります。
そこで、私は読書記録とは別に「読書ノート」を書くように勧めました。(3年生以上で取り組みました。)

読書ノートは、こちらの本↓にヒントを得ました。

授業の読書単元で読書ノートについて指導します。私が書いた読書ノートを見せました。イラスト入りの人物紹介やあらすじを書くコーナー、考えたことなどを自由に書く場所を作るなどして例示します。

その授業の後、読書ノートを購入して続ける子がいたり、自主学習で時々読書ノートに取り組む子がいたりしました。取り組んでいる子同士でコメントし合ったり、私がコメントしたりもしました。自主的な交流が促されてとても楽しかったです。

4.強制しないこと・共に取り組むこと

読書記録をつけることは読書指導の目的ではありません。書かない子がいてもいいのです。でも、書くことの価値はあるので、書きたくなるような支援をしていくことが大事です。

一番いいのは、読書の時間と読書記録を書く時間をしっかり確保してあげることです。必ず書きなさい!などと言って書く時間を与えないのは、子供がこの活動を嫌いになるきっかけを与えているようなものです。自分が、上司から「読んだ本の記録は必ず書きなさい」などと命令されたらどうでしょうか?「時間もないのに絶対記録しなきゃいけないの?なら読むのやめようかな。」となってしまいます。

そのためにも、自分が読書記録を付けて、子どもと同じ気持ちを味わうこと。そして時には先生の読書記録を子供たちに見せるといいと思います。一緒に取り組む中で、本のおもしろさや奥深さを共有することはとても価値のあることです。

私も今まで何度となく子供たちに読書の世界を広げてもらいました。子供たちに紹介された本を読むことは私にとって大きな幸せです。クラスの子でも自分の子でも。同じ本を読んで、それについて話すことや書くことは確実に世界を広げてくれます。

そのきっかけとしての読書記録です。新年度、読書記録どうしようかな?と思っている方がいたら、とにかくぜひ始めてみてほしいです!