見出し画像

第4章、砂漠3ー「お互い部下を持つと、 大変よね。」

太字の()は、私(主人公)の考えていることや思っていることです。

 私は体を後ろに倒し仰向けになり、きらめく銀河の星空を眺める(人の一生で終わるはずが長いこと、この星でとどまっている。)と思うと同時に『帰りたい』という郷愁のような感情が湧いてきた。しばらくじっと星空を眺めていると、いつしか星空がアルテミスの目になっていた。 
 アルテミスが私の目を覗き込み
「お互い部下を持つと、大変よね。」
「犯人、わかったんだ。」
「ええ今は泳がせているの、ハップルとのつながりを見極めるために…会いたかったわ。」
「私も。」といって体を起こし「子供が行方不明になった。」
 アルテミスは私の横に座り
「ええ正確には2人ね、もう1人は女の子、あの居酒屋から300mほど行った所にある家。」
「てことは、あの村の子供たちを狙ってたってことか…最初っから」
「そうね…。」
「アルテミスは?」
「実は銀河連合から連絡があって」
「こっちでハップルをろってんでしょ、ここで事件を起こしたから」
「当たり、さすが理解が早いわね。」
「元古巣ですから…二度と出してやらない。」
「うわっ、こわーい…ハップルのやつ、この星に手を出したことに後悔するわよ、銀河連合の刑務所の方がまだ良かったって。」
「うん。」と私はうなづくとカバンからメモと鉛筆を取り出し、アルテミスに
「第二都市の中がどうなっているか知りたいから地図を描いて、わかる範囲でいいから」
といって渡し、立ち上がってマントを脱いでカバンの上に置く。
「どうするの?」とアルテミス
「今から明日の準備をしてくる。」
と言って、私は闇の中へと入って行きながら、うごめく亡者達を切りつけ始めた。

(もう、この辺でいいかな?)
 私は村と砂漠周辺の亡者達をあらかた始末し終えると、アルテミスと4人の女神達が寝ている場所へと戻り始めた。
 東の空が大部白んできている。(もうそろそろ出発か…)

 戻ると、サファロスも来てアルテミスの横でメモを指差し、アルテミスはメモに書き込んでいる。その横でフローラ、その後ろ側にバッカス、マーズちゃんがメモを覗き込んでいる。オフィーリアは、ウトウトと半分夢の中だ。
 6人の女神たちが、私を見て「ギョ!!」とした表情になる。
「あらかた始末してきた。」と私が言うとアルテミスが
「上半分、赤色の服みたいよ。」
「赤い花の模様みたい。」とフローラ
「俺と同じ色だな。」とマーズちゃんが、自分の髪の毛を指差し
バッカスは「ヒュー」と口笛を吹く。
 オフィーリアが半分目を覚まし始めている。 
「第二都市の周辺は片付いたか?」とサファロス
「うん…村まで行ってきた。そのカバンの中のハンカチが欲しいんだけど…」
と私は自分のマントの下のカバンを指差し、マーズちゃんがカバンを手に取り、中のハンカチを渡してくれる。
「ありがとう。」
と私はそのハンカチで髪の毛から滴る血を拭き取りながら、サファロスに
「第二都市はどんな感じ?」
「今な…完全に膠着状態。都市の残った人たちは体育館に集められてて、その周りを部下達が守ってて、運動場は完全に亡者たちに占拠されてる。で、校舎内はお前の部下達とかが巡回してるんだけど、すきあらば亡者達が入ろうとしていて、寮の方はあきらめているってところかな?」
「寮の中はどうなっているの?」と私
「それは…あー残った生徒達がバリケードを作ってる、渡り廊下は完全に占拠されてるから、生徒と先生達だけで守ってるって感じかな?…あっ、マーズの部下が屋上からライフルとかで防いでる。」
「うん……了解。」と、マーズちゃんは自分の部下達の様子に思いを巡らす。
 アルテミスが立ち上がり
「第二都市はだいたい、こんな感じだと思うわ。」と言ってメモを私に差し出した。

次回
第4章、砂漠4ー(私だったら、そのお腹の中のモノがなにか、答えてあげられるよ。)

Copyright(C)虹色らいん2022 All rights reserved・・・・・・13


「面白い」「続きが読みたい」と思ったら、サポートしてください。 すぐに調子に乗って、投稿するスピードが速くなります。