第8章、寮（3階、1番奥の部屋、寝室）ー8 「ベッドがないわ。」
今回は、アルテミスの提案で寝室を調べます。
太字の（）の中の文字や文章は、私（主人公）の気持ちや考えていることです。
（）の中の文字や文章は、作者による注釈です。
寝室
テーブルと椅子のある部屋から入って反時計回りに箪笥、クローゼット、大きな出窓、花瓶や時計がのった腰までの高さのあるキャビネット（食器棚）、出窓（最初の出窓より半分ぐらいの大きさ）、脱衣室につながっているドアがある。
寝室全体を見るとかなり広い。
（そのしわ寄せが、隣の５人部屋になったのだろうか？）
寝室に入ってみると、埃っぽく、白いペンキで塗られた箪笥やドレッサーの上、カーテンレールの上には埃がたまっているのが見える。
オフィーリアが
「ここ（キャビネット）からコップを取り出す時はわかりませんでしたけど、時計にも埃がたまっていますわね。」
「妙に埃っぽいな、とは思ってたんだよな。」とメロディー
「使ってなかったら、こうなるんだね。」とニッカちゃん
「これは、やっぱり怪しいってことですか？」とローズが私にたずねる。
「んーこれが普通なんだけど・・まだよくわからない・・・。」
「ベッドがないわ。」
私は、調べている副隊長たちの所に行き
「後で、お部屋の中を見せてもらっていい？」
「いいですよ。」
「澪様、ぜひ私たちも、オフィーリア様と一緒に。」とナナとミミ
「こっちも。」とトカレフたちとヒアキッソスたち
「私たちのお部屋も来て」とハピラキ
「おかしな所がある？」
「（寝室の）カーテンが汚れている。」とヒマワリ
「てことは、どういうことだと思う？」
「洗ってない、使ってない。」とヒアキッソス
「うん、そうだね、箪笥やクローゼット、キャビネットの中は何もなかった？」
「うん。」と部下たちがうなずく。
「他は？」
しばらく考え込んでいたアルテミスが、真剣な表情で
「ベッドがないわ。」（決して、作者の書き忘れではありません。）
私と私の部下以外が「あっ！」と声を上げる。
ベッドは何台？
会話の中の数字は、この見取り図内の数字です。
副隊長が
「実は、こっち（５）もベッドがありません。」
「へぇー、じゃ床の上にそのまま？」と私
「まあ、そういうことになりますね。」と副隊長、アオバたちもうなずいている。
「私たちの所（１）はあります。」とトカレフ
ヒアキッソスが
「僕たちの所（４）は３台、でも『５人部屋』って校長言ってた（8章-1）から、おかしいなって・・。」
「私たちの所（３）も２台しかありませんわ、藍白たちを追い出して正解でしたわ。」とナナ
「ねえ。」とミミ
「うち（２）もそのままです、布団は５組あるんですけどね。」とサイケ
バッカスが
「サイケんとこから２組もらってきて、あっち（和室）で寝るか。」
「そうだね。」と私
「僕のとこも５組あるから、余ったのを使って」とヒアキッソス
「校長は知らなかったみてえだな、あの寮母にまかせっきりで。」とマーズちゃん
「男性は入れなかったんですもの、しかたありませんわ。」とオフィーリア
「勤めて10年ですからね。」と藍白
というわけで全員、部屋を出て行った。
次回は、隣の部屋（１、２、３、４、５）の調査と、布団をもらいに行きます。
次回
第8章ー寮（3階、1番奥の部屋の隣の５人部屋）
9、「あの偽寮母さんが連れてきたのは別のイモ虫で、ヒドルじゃなかった。」
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