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第4章、砂漠4ー(私だったら、そのお腹の中のモノがなにか、答えてあげられるよ。)

太字の()は、私(主人公)の考えていることや思っていることです。

 私がメモを受け取るとサファロスが 
「どうすんだよ?」
 私は歩いてきた方向を指差し
「向こうに行くと、何があるの?」
「A地区。畑とか家畜を育てている。そこは獅子のようなゴリラのような体の大きいやつらがたくさん争ってて、住人達は洞窟に身を隠している。」
「わかった、じゃ、そのまま向こうへ」と私。
「そこへは、どれくらいありますの?」とオフィーリアが立ち上がり、服についた土を払い落とす。
「ん〜半日、かな?」とサファロスはアルテミスを見
 アルテミスは、その方向を指差し
「A地区は崖に囲まれているような所で、歩いて行ったら崖が見えてきて、その崖を登った所がA地区なんだけど、その崖の右手に登って行く道があるから、そこを登って行くといいわ。」
 サファロスも、うん、うん、とうなずいている。
「わかった。」と私、4人の女神達もうなづいている。
 サファロスが
「じゃ、俺は遠くで見てるから、間違えそうになったら教えるよ。」と大気の中に消え
 アルテミスが
「じゃ、私も遠くで見守っているわね。」としだいに薄くなり消えた。
 私と女神達は、口々に「ありがとう。」と言って、登ってくる太陽を背に歩き出した。

 私と女神達は1時間ほど歩き続けた。
 オフィーリアが
「まだ、何も見えませんわね。」と何もない地平線を見てつぶやく。
「疲れた? 休もうか?」と私
 オフィーリアは、首を横に振り
「夢の中で藍白が出てきて何度も私の名前を呼びますの、私はここにいるのに見えないらしくて、ずっと捜してますのよ、なんだか心苦しくって…。」
「こんだけ離れ離れになるってことが、なかったからじゃないのか?」とマーズちゃん
「そうですわね、ずっと側にいましたから…あなたの副隊長さんもずっと側にいますわね?」と私を見て言う。
「私?」と私は自分を指差す。
「あっ、えっと澪木…澪ちゃんがかわいいかな?」とオフィーリア
「みーちゃんもかわいいぜ。」とバッカスは鏡を口に当て上を向いて、そこから直接、酒を飲んでいる。
「お行儀が悪いですこと。」とフローラが顔をしかめる。
 オフィーリアが
「じゃ、えっと、澪ちゃんの副隊長さんもずっと側にいますでしょ、藍白と似ている気がして仕方ありませんの、つまり…師弟を超えた恋愛関係のような…」
「うん…そうかもしれないなぁ…オフィーリアはどうなの? 藍白くんに対して恋愛感情は?」と私
「『ない』と言えば嘘になりますわ…でも、私は川の女神オフィーリアだから…」とうつむく。
「そうだね…私が許しちゃうと歯止めが効かなくなっちゃうからなぁ…。」
「難しいとこですわね。」とオフィーリア

私の頭には戦っている副隊長の様子が見えている。
(戦いながら(今どこにいるのか?)と必死で私を捜している。そして、その満たされない思いを亡者達にぶつけながら…アオバはモモタ、ヨシツネはボタンを、それぞれに思いながら…早く片付けて会わせてあげたいな。ふと今度は中学生くらいの茶色い髪を1つにまとめ、上は青い矢絣に、下はもう少し濃い紺の袴を着た女の子が両手でお腹を押さえて泣いている。夜中に戦っている時も、時々、頭に浮かんでいた。そうか…私だったら、そのお腹のモノが何か、答えてあげられるよ。)

次回はいよいよ、第二都市に到着です。

作者より

次回
第5章、第二都市1ーA地区「どうして水がありませんの?」

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