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第1章ー王宮5 「相手は弱った心につけこむから、自分をしっかり持つのが一番大事、どんなに強い武器を持っていたとしても、心が折れてしまえばだめだから。


太字の()は、私(主人公)の気持ちや考えていることです。
                             
                    
2024年 2月17日、更新しました。

作者より




なぜ、第二都市に?

 
 アルテミスが
「盗まれた鏡でハップルが初めにおそうとしたら、私たちがあまり関わっていない第二都市ではないか、ということでいいのかしら?」
 市長さんが
「確かに、我が都市には神は住んでおりませんが、私が出てくる時は、特に変わったことはございませんでしたが・・・」
(やっぱり・・でも・・何か気にかかる。)じゃ、短い間だけで、何もなかったら帰るんで・・・」
 市長さんは、しぶしぶ承諾しょうだくし、
「では、転入届は、えー」
「キング、転入届。」と、私は手を差し出し
「何?、転入届だと!?」
 トリトンが
「オフィーリアの分も」
「マーズは?」とホルス
「5 人分、くれ!」とマーズちゃん
 ガイアが、フローラに
「もう少し様子を見てからね、先に部下を行かせます。」
そして、前を向き
「大地が、うごめいているわ。」とつぶやく。
 藍白が立ち上がり
「王よ、申し訳ないのですが、こちらも5人分ください。」
キングは、しぶしぶといった感じで
「そちは?」と私を見、
「えーと・・・4人」
「誰を行かせる、おつもりですか?」と副隊長が横に立つ。
「それはまた後で、市長さん、えっと、メンバーが決まりしだい行かせます。」
「はぁ・・・。」と、市長さんはまだ、はっきりわかっていない様子
 サファロスが、落ち着かない様子で周囲を見渡し
「空気が・・・震えてる。」
 その横で、転入届を部下たちが受け取っている。
 私は
「アルテミス、先程の質問だけど、この小さな鏡では大人数の悪霊は出せないし、私も、そのつもりで作ってはいないから効果は薄い。仮にハップルが力を増幅させる装置なんかを開発していたとしても、ここまでは大きくは、ならないと思う。なので考えられること、といったら何かもう1つ、大きなきっかけが起きたんじゃないかなって思う、第二都市で・・・じゃ、もう」
と言い終わらないうちに、キングが立ち上がり
「以上! 今日はこれにて」
 閉めの言葉を合図に、全員が立ち上がった。


「コンサートはまた今度。」

 
 手伝いの者たちが、急いで持ち帰り用のバッグに、残ったお菓子を入れ
「どうぞ、お持ち帰りください。」
と、部下たちに渡している。
 私はリリスに
「残念だけど、コンサートはまた今度。」
「そうね。」
リリスも、「仕方ない」という感じでうなずく。
「バッカス、また落ち着いたら一緒にお酒を飲もう。」
「うん。」と、めずらしく素直にうなずいた。
 テーブルでは、トカレフと藍白と副隊長が、市長さんから転入届の書き方を教わっている。
 他の女神たちと部下たちは、挨拶もそこそこに部屋から出て行った。
 書き終えた部下たちが、ペンを置いて立ち上がり
「じゃあな。」とマーズちゃん
「うん、第二都市で」
「気をつけてね。」とオフィーリア
「うん、そっちもね。」
 市長さんも「それじゃ。」と言って、帰って行った。


「どう戦えば、よいのでしょう?」

 
 私は、ふんぞり返っているキングに
「何か質問ある?」
「んー、なんぞあるか?」と後ろの部下クリスを見る。
「はい、悪霊と会えば、どう戦えばよいのでしょう?」
「人間と同じように銃や刀で倒せるよ。」
 私は手から刀を出し、副隊長も両手にカーブした大きな刀を出す。続けて
「相手は弱った心につけこむから、自分をしっかり持つのが一番大事。例えどんなに弱い武器を持っていたとしても、心が折れてしまえばだめだから。」
「もし、それでも倒せない場合は?」とクリス
「うーん、私の部下を3人、こちらに来させますから使ってください。」
「わかりました。」と、クリスは頭を下げ
「それじゃ。」
 私と副隊長は、出て行った。

 さっそく第二都市に向かいたい、ところですが、まず地下の地獄に戻り、自分の部下たちに指示を出さねばなりません。
 次回は、私(主人公)の部下たちを紹介します。

作者より




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次回

 第2章、地獄1ー「天井に黒い穴が開いているんすけど、ブラックホールみたいな。」

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