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商品プランナーってどんな仕事?

このnoteは、商品企画をやってみたい方、商品プランナーの仕事に興味があるみなさんに向けて書きました。

私は昨年の10月まで、神戸にある大手通販会社『フェリシモ』に勤めていました。現在はフェリシモのグループ会社として㈱2時をたちあげ、前職とおなじく商品プランナーとして奮闘中です。

フェリシモでは主に、ユーモア雑貨の商品企画にたずさわり、年間約30アイテムほど、ごきげんな商品を開発してきました。

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(こんな感じの商品。)

他社での商品企画を経験したことがないので、私個人の経験の範囲になりますが、商品プランナーの仕事をざっくりと説明したいと思います。


1.市場調査をしてアイデアをつくる

プランナーが商品をつくるときにまず行うことが市場調査です。当たり前ですが、ニーズがどれくらいあるのかを調べなければ安心して商品をつくることはできません。

ただ私の場合、マーケティングリサーチ、なんてカッコいい・大それたことは一切していませんでした。

ツイッターを浴びるほどみる。そしてできるだけいろんなお店で、いろんな商品を見る。ほとんどそれだけです。

市場調査にも色々な方法があり、例えばファッションのプランナーならカフェで何時間も、待ちゆくひとが何を着ているのか見続けるという定点調査を行っている場合もあるかと思います。(探偵みたいでかっこいい!)

そんな中、私がツイ廃に身をやつしていたのは、前職で私にあたえられていた役目が「とにかく話題になる商品を作って新しいお客さまと会社との接点をつくる」ということだったからです。

新しいお客さまとの出会いのツールとして、SNSは外せません。

なかでも拡散力の高いツイッターはユーモア雑貨との相性もよく、私は「ツイッターで拡散する商品」を逆算してつくるようになりました。

私の仕事柄ツイッターが主戦場でしたが、それぞれの商品特性にあった場所での市場調査を、各企画担当はおこなっているはずです。

調査した内容を商品アイデアにしていく過程は、重要なうえに長くなってしまいそうなのでまた別のnoteに。


2.企画書をつくる

……企画書をつくる段階になって、やっとクリエイティブな雰囲気になってまいりました。

私は商品企画という仕事が楽しくて仕方がないのですが、好きな作業の一つに「企画書づくり」があります。

一例として、以前「ACTION」というラジオ番組に呼んでいただいたときにつくった企画書をごらんください。

▼DJ松永さんにご提案したのがこちら

2企画書参考_Creepy-Nutsさまライブグッズ

企画書参考_Creepy-Nutsさまライブグッズ

DJの知識が致命的なほど無い中で、奇跡的に石けんというアイテムを選び(あとから松永さんがとてもキレイ好きで潔癖ということを知る)盛り上がったこの商品。

実際の商品企画の仕事でも、同じようにイラストを描いて完成のイメージを共有します。
※本当の企画書は、もっと細かくサイズや素材などが書き込んであります。

・企画書をつくる⇒上司やコラボ先企業に提案
・依頼書をつくる⇒メーカーに依頼しサンプルをつくってもらう

名称未設定のアートワーク-73

企画書一枚でアイデアの採用・不採用が決まったり、今後の商品サンプルの修正の大変さが変わってくるので、とっても重要な作業です。

とにかく初めて見たひとが理解できるよう、わかりやすく、ということを頭において企画書をつくります。


3.サンプルを修正する

自分で考えて依頼した商品のサンプルが届く瞬間は、まるで季節外れのクリスマスプレゼントをもらったようで心が踊ります。
(※納期が短いなか、とんでもないサンプルが上がってきた場合をのぞく)

メーカーさんからはじめて届くサンプル(1stサンプル)は、だいたいの場合が完成のイメージとズレがあるので、赤字でどんどん修正していきます。

▼実際のたぬきクッション修正画像(字が雑ではずかしい……これがリアル)

名称未設定のアートワーク-75

こうして何度かのサンプル修正を経て、自分が頭の中で思い描くイメージに近づけていきます。

日々色々な商品を見に行って、「こういうつくり方もできるんだ」「こんな素材があるんだ」といった引き出しを増やしておくことで、修正作業はとってもスムーズに。

ものによりますが、修正回数は3,4回ほど。
▼最後はこんな感じに仕上がりました。 ポン!


4.見積もり、納期などの条件を整える

どんなにお金をかけてもよくて、何年かけて作ってもいい商品なんてほとんどありません。

商品のクオリティを高める一方で、販売したいシーズンに間に合わせてサンプルを上げたり、ときには売れる価格になるように仕様を削ることも、我々の大切なお仕事です。

毎日ぱちぱちと電卓を叩いています。

このあたりの、条件の最適化がうまいプランナーもたくさんいるんですよね〜。納期コントロールがうまかったり、いい値段でつくったり。すごいや。


5.取説やパッケージなどの付属品をつくる

やっと商品が完成した〜!……と思った矢先にはじまる作業が[取扱説明書]と[パッケージ]づくりです。

取説については、専門のスタッフにアドバイスをもらいながら、間違いのないようにつくっていきます。

そしてパッケージ。

パッケージデザイナーになりたい学生さんがもしいたら、商品プランナーになるというのもひとつの手かもしれません。
自分自身がクライアントなので、割と自由度が高いです。

私も簡単なやつは自分でデザインをつくってしまっていました。息抜きにもなります。


ーーこれで商品は完成です。

このnoteに書いてもだれも見たくないような細かい雑務はうんと省略させていただきましたが、私がやっている企画の仕事はこんな感じです。

「売れる商品を考えて、最初から最後までコントロールしていくこと」がプランナーの仕事、なんだろうなと思っています。
(その流れのところどころで力を発揮するのが、デザイナーさんやプロダクトデザイナーさんではないでしょうか。)


日々商品のアイディアを考えて、企画書を作っています。

そしてたまに届くサンプルを修正して、市場調査に出かけて、歩きながらまたアイディアを考えます。

正直、アイディアが枯れたら一巻の終わりですが、枯れなければめちゃくちゃ楽しい仕事です!

次のnoteでは、もう少し具体的にアイディアを出す方法を記事にしてみたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!


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