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金属で「固めプリン」をつくりました。
みなさんは、とろけるプリンと固めプリン、どちら派でしょうか?
このプリンは、材料にアルミ・銅・真鍮・ステンレスを使用しているため、「固めプリン派」のみなさんにもきっと満足していただける固さに仕上がっているかと思います。
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4種類の異なる金属を使っているため、それぞれの金属の質感の違いを楽しんでいただけます。
単なる飾りではなく小物入れとしても使えるように、プリンのカラメルから上はフタとして取り外し可能な仕様にしました。
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プリンが乗っている脚付きカップも含めてすべてのパーツを、金属の塊から機械で一つ一つ削り出して作っています。
もしかしたら世界一固いかもしれない、固めプリンが完成しました。
なぜ固めプリンを作ることになったか
この企画は、山形県にある金属加工会社「ヒカルマシナリー」さんから一通のメールをいただいたことがきっかけでスタートしました。
金属の削り出し商品で「ワクワクする商品が作りたい」と思い、ご連絡いたしました。
弊社は、従業員8名の山辺町にある町工場です。これまで装置部品などの切削加工を行ってきました。切削表面は自然についた刃物の跡が奥行きのある表情を産み出します。しかし、切削部品の多くは装置の中に組み込まれることが多く、一般の方の目に届く品物はごく僅かです。
そこで、金属切削品と金属そのものの魅力、そして「モノづくりのワクワク感」を届けるため、昨年から一般の方向けの切削品の商品開発及びSNSでの発信を始めました。金属加工の魅力、可能性を伝え、地元住民にも故郷を自慢するきっかけになってもらえればと思っております。
……金属の削り出し!?
と、これまでいただいたことのなかったご相談に、非常にワクワクしたことを覚えています。山形の町工場の方が、我々2時を知ってくださっていることもとても嬉しかったです。
こんな面白そうな話、絶対乗るしかないでしょう!
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すごく固いプリンを作ってみたい……!
金属の塊を機械で削って造形していく「削り出し」のお話を伺ったとき、真っ先に「固めプリンを作りたい」という構想が浮かびました。
ヒカルマシナリーさんは、工場で複数の種類の金属を取り扱えることが強みの一つです。
せっかくなので色々な種類の金属を使い、金属の色味や質感の違いを活かしたいと思ったことと、金属で作るのであえて真逆の「柔らかいもの」にチャレンジしてみたい、と思ったことがきっかけです。
こだわりポイント①真鍮と銅の色味を活かしたプリン
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銅と真鍮は、みなさんも馴染みのある5円玉と10円玉に使われている素材です。素材そのままの色がまさにプリンじゃないでしょうか?
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銅は、削り出してすぐは明るいオレンジ色をしていますが、経年によってだんだんと茶色く変色していきます。(お手元の10円玉をご覧ください。)
真鍮も同じく、明るい金色がだんだんとくすんできて落ち着いた雰囲気に変わっていくそうです。
金属の固めプリンは、そういった金属特有の経年変化も楽しめそうです。
こだわりポイント②クリームとさくらんぼ
見てくださいこのクリームのもったり感。
「5軸マシニングセンター」という、金属を3Dで彫刻できる機械を使って、立体的に削り出しています。
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さくらんぼは、アルミ素材にカラーアルマイト処理※を行い赤色に。
クリームはアルミの色味を活かしつつ、ややマットに見えるようアルマイト処理を行ってくださりました。こだわりがすごい!
(※アルマイト処理:アルミ表面に酸化被膜を形成する表面処理加工)
こだわりポイント③脚付きカップ
ステンレス製の脚付きカップは旋盤という機械を使用して、ステンレスのブロックから削り出しています。
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私達がよく目にする金属のカップなどは、基本的には型に金属を流し込んだり、プレス機で圧を掛けて量産しているものですが、
今回の削り出しは金属のブロックを機械の上で回転させ削っていくという、量産品とはまったく違う方法で作られています。
素材に合わせたプログラミングや、一つ一つの機械の調整がとても大変なことが、素人ながらに理解できます。
固めプリン販売ページ
金属でできた固めプリンは、そもそも販売を想定していない一点物としてつくり始めたのですが、
完成品をみて「これもしかして欲しい方いるかも……?」と思い急遽販売ページを用意していただきました。
材料費や製造工程上かなり高価なプリンですが、もしも欲しい方がいらっしゃったら、ひとつずつ大切に、山形の町工場で製作していただけるようですよ。
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ヒカルマシナリーさん、ありがとう。
高い技術と遊び心を兼ね備えた ヒカルマシナリーさん。
ご覧いただいたように非常にチャレンジングな会社さんですので、金属加工でお困りのことがあればぜひお声がけされてみてください!
……余談ですがヒカルマシナリーさんは「ミステリーサークル」の制作も請け負っているそうです。
やっぱり面白い会社!
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