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新宿毒電波通信 創刊号 音楽評 MUSI苦 「この地球の続きを」コブクロ 


MUSI苦 niimino

MUSI苦「この地球の続きを」コブクロ

niimino

W不倫デュオが万博に寄生した最低の醜作

 22年リリースの今作。関西万博オフィシャルテーマソングにもなっているが、楽曲・歌詞の双方で正直、大興奮した。

 まず、楽曲が反吐が出るほどダサいのはさておき、特筆すべきは和太鼓や三味線のソロパート。昨今、日本の音楽家は世界基準の楽曲を作るにあたって、ボカロPの文脈(転調を多く用いる、意外性のあるコードを選ぶ)を駆使している。YOASOBI「アイドル」のサビは、日本的ヨナ抜き音階なのに対して、こちらは日本=和楽器という短絡さ。小渕と黒田でコブクロと同様の短絡さで、その脳の構造の特殊さに驚嘆した。

 歌詞は反吐を反芻して再嘔吐した感じだ。サビの「こんにちは」は前回の大阪万博テーマソングの短絡的オマージュ、「あの日夢見た世界は もう/幻想じゃないのでしょう/鮮やかなイノベーション」「この命は響き合う」と歌い、最後は「子供達が変えてゆく この地球(ほし)の続きを」。夢見た世界を子供にブン投げで、「年金問題は勝ち逃げできるから、ガキなぞ知らん」的な発想の最低の(W不倫も納得の)大人である。

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