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令和四年のウクライナ危機

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令和三年末にウクライナ周辺にロシア軍が集まってきてから投稿してきました。ここにまとめます。 もっと前からワーニングは出ていたにもかかわらず防ぐことはできませんでした。
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2022年5月の記事一覧

5月20日ロシア防衛省理事会で防衛大臣ショイグ国防大臣のスピーチ翻訳

5月20日ロシア防衛省理事会で防衛大臣ショイグ国防大臣のスピーチ翻訳

1.特別軍事作戦について

ルガンスク人民共和国の解放はもうすぐ完了する。ウクライナ軍はロシア軍の侵攻を妨げようとして市民を避難させず、人盾として使っている。

陸上で大敗を大敗を喫しているウクライナ政府は一時的な小さな成功を大きな成功としている

5月9日戦勝記念日の前夜、ウクライナ軍はスネークアイランドの制圧に乗り出したが完全なる失敗に終わった。この損失は今後大いに響くと考えられる。

アゾフ

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トッドとミアシャイマー

トッドとミアシャイマー

 ここ一ヶ月ほどの間に、文春オンラインでウクライナ戦争に関わる注目すべきインタビュー記事が二つ掲載された。フランスのエマニュエル・トッドとアメリカのジョン・ミアシャイマーのインタビュー記事だ。

 米露両国のプロパガンダにあおられた情緒的な言論があふれる中、二者は冷静な意見を述べている。

 いわく、「戦争の原因はアメリカの戦略の帰結」ということだ。そこに都市伝説や陰謀論は存在しない。 

 国際

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小泉悠『現代ロシアの軍事戦略』は預言の書

小泉悠『現代ロシアの軍事戦略』は預言の書

 令和三年の五月、ハイブリッド戦争について調べていた流れで、小泉悠さんの『現代ロシアの軍事戦略』に出会った。ソ連健在な80年代から独ソ戦とロシアに興味のあった自分にはとても興味深い内容だった。(小泉さんは有名)

 noteでもユーリ・イズムィコ名義でメルマガの一部を投稿されている

 この本には現在進行しているウクライナ戦争のすべてが予見されていると言って良い。

 また、ロシア軍が西側に比べて

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アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ 10の法則』を読むとテレビや新聞など信じるに足らないことがわかる

アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ 10の法則』を読むとテレビや新聞など信じるに足らないことがわかる

 アンヌ・モレリ『戦争プロパガンダ 10の法則』は20世紀初頭のイギリスの政治家ポンソンビー卿の『戦時の嘘』を現代の視点で論じ直したものである。

 そこには政治家が国民を戦争にかりたてるための10のキーフレーズがある。

 最初の2つは「われわれは戦争をしたくない」「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」である。どこかで聞いたことがある。

 ウクライナ戦争に際し、米露いずれもが同じ言葉を投げあって

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