日本オペラの歩み

東京室内歌劇場の主催するコンサート。青島広志氏監修のもと、日本オペラの軌跡を辿る。No…

日本オペラの歩み

東京室内歌劇場の主催するコンサート。青島広志氏監修のもと、日本オペラの軌跡を辿る。Noteでは作家や出演者の紹介、また作品にまつわる逸話などを紹介していく予定。

最近の記事

日本オペラの歩み その② 高木東六とフランス楽派

7月20日、昼夜公演が無事終了しました。 「おっぱい〜」の掛け声で満面の笑みが撮れました(笑) プログラムノートを書いていくつもりが、なかなか筆無精な私にはハードルが高かった・・・ せっかくなので、これから書いて参ります。気長にお付き合いいただけたら幸いです。 次回は「清水脩と日本楽派」 2022年6月27日 大和田伝承ホール の予定です。

    • 祝い歌が流れる夜に・原嘉壽子のオペラ作品

      前回の記事で紹介した表題のオペラ作品、「祝い歌が流れる夜に」(原嘉壽子 作曲)は、もともと1972年に放送された、菊村到原作のNHKのテレビドラマである。 その情報がネットに掲載されていたので、コピペさせていただいて・・・ 放送:1972/08/19(土) 22:30-23:40 【毎日新聞1972/08/19付より引用】 戦争で肉親を失い、不幸のどん底にたたき落とされた女が苦難に耐えながら生きていく。「人間は自分の意思とはまったく違ったところで生き続け、本人は気づかず

      • 稽古、やってます🎵

        本格的な夏の暑さにはまだまだですが、冷やし中華はいけそうなお天気。 「冷麺」ののぼりが目に入って、釣られるように入店。夕方5時に夕飯をいただき稽古に向かいました。 今日はまず「祝い歌が流れる夜」からの一場面。 作曲は原嘉寿子、原作は菊村到。 原嘉寿子の作品にはこの「祝い歌」の他に「脳死を超えて」というオペラがあり、どちらも社会性の強い濃いドラマとなっています。 もう20年近く前になるでしょうか、二期会研修所というオペラ歌手養成所の授業で何度か教材として取り上げられたので、

        • 「春香」「唐人お吉」〜高木東六のオペラ その②

          「唐人お吉」の物語は、明治開国の時代、黒船がやってきた下田に実在した「斎藤きち」をモデルに描かれたお話で、小説や映画、そしてオペラではこの高木東六の作品と、かの山田耕筰の作品「黒船」の2作品がある。 斎藤きちとは何者ぞ。 アメリカ領事・ハリスの看護人に選ばれた女性の一人で、たった三夜で暇を出されるが、ラシャンメ(洋妾)と蔑まれ酒に溺れ、最期は病を患い自死した、という記録が残されている。 今回のオペラの台本は、テレビ作家で名を馳せた江上照彦。高木東六からのお題は、「アツア

        日本オペラの歩み その② 高木東六とフランス楽派

          「春香」「唐人お吉」〜高木東六のオペラ その①

          今回演奏する高木東六の作品は標題の二作品。 まず「春香」ですが、これは18世紀李氏朝鮮時代に生まれた物語、韓国朝鮮人なら誰もが知っている、貴族と庶民の身分を超えたハッピーエンドの恋愛物語です。 高木東六は朝鮮半島の音楽が好きだったようで、旅行に行くとそのメロディーを採譜していたそうです。このオペラの他にも、管弦楽曲「朝鮮舞踊組曲」なども作曲しています。 朝鮮が日本の植民地だった時代、お互いの文化が今より近かったに違いないでしょう。 昭和十三年(1938年)頃、村山知義・

          「春香」「唐人お吉」〜高木東六のオペラ その①

          高木東六とフランス楽派

          高木東六って誰? って思う方も若い方には多いでしょう。(知ってる方はお年寄り…とも限りません!) ヒット曲は二葉あき子が歌った「水色のワルツ」。 美空ひばりの「あまんじゃくの歌」も高木東六の作曲です。 歌謡曲ばかりでなく、オペラにバレエ、オーケストラ作品もありますし、もとを辿るとピアノでパリに留学しました。 1904年生まれで2006年没なので、102歳の大往生ですね! こちら↓ 高木東六のピアノで「水色のワルツ」です♪ https://youtu.be/Ujer

          高木東六とフランス楽派

          チラシができました!

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          はじめまして。 東京室内歌劇場コンサート「日本オペラの歩み」、制作とピアノを担当します朴令鈴(ぱくりんりん)です。 2020年11月5日に第1回を迎えた「日本オペラの歩み」、シリーズとして継続していくにあたり、作品紹介を中心にNoteを綴っていこうと思います。 第1回には〜山田耕筰とその流派〜と題し、山田耕筰の3つのオペラと、彼の弟子・團伊玖磨と牧野由多可の作品を演奏しました。 第2回は2021年7月20日(火) 於・大和田伝承ホール 〜高木東六とフランス楽派〜 をお届

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