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「日本の英語を考える会」         第2回懇談会(日本語)

                             鶴田知佳子

3月に英語で行われた第1回懇談会に続き、2021年5月9日に今回は日本語にて第2回NNE懇談会を開催。「日本の英語を考える会」メンバ-5人(日本人4名、英語母語話者1名)に、参加者9名(日本人4名、英語母語話者5名)、合計14人による懇談会を行いました。

参加者からの主なご意見

①日本の英語の表記が、管轄している役所によってなのか、個人ないし町の独自の判断なのか、たとえば高速道路や駅、公園の名称の表示がローマ字の綴りや、 固有名詞の表記方法(例:Arakawa River か Ara Riverか?その他観光名所の標記等)に統一性がない。

②英語母語話者が改善を求めても日本語の表記ほどには大きな関心を払われない場合がある、成功例があれば知りたい。

③小学校3年でローマ字を教えるときに、そもそも訓令式を教えていて、より広く用いられているヘボン式ではない。

上記3点につき、さらに意見交換

参加者からは

•ユーザーのことを第一に考えるべき。

•教える段階で正書法のbpmの前ではnがmになるというルールを教えるのがよいのではないか(Shinbun か  Shimbunか?等)?

•SWET Japan Style Sheet など、すでに標記の統一基準を示すものがあるのでは?

•変化を促すには自治体ならそのトップ、たとえば市の場合なら現場担当者よりも市長に働きかけるのが効果的ではないか?

「日本の英語を考える会」メンバーからは 

•ユーザーが外国人なら、その人たちにとって使いやすくわかりやすい表記になっているのが一番ではないか、たとえば荒川を表記するのに、Arakawa River と川とriverがダブったとしても、町の人が荒川といっているのであれば、そのように川まで含めて固有名詞、という理解がよいのではないか?

•SWET Japan Style Sheet など、すでに標記の統一基準を示すものがある場合、既にあるものの利用を促進するのが良い。

という意見が出されました。

•公共の場での英語がコミュニケーションの役に立つようにしたい、という願いで活動をおこなっており、抜本的な変化を促す場合の例として、いままでの目黒区浦安市の例についてあらためて説明を行いました。

なお、いくつかの具体例を以下に記して締め括りといたします。

・ニュージーランドからの参加者が、3年前に車椅子のご家族を連れて来日した時、駅などでエレベーターを探したが、道案内が途中で途切れてしまい辿りつけなかった。体の不自由な人のための英語の情報が少ない。ご自身は日本語の先生なので日本語でも探したが、わからなかった。
(NNEメンバー:車椅子の家族と旅行に行くとき、事前にエレベータのあるホームをネットで調べて行くのですが、新幹線乗場までのエレベータ案内(日本語)が不十分で途中で見放された気分になったのを思い出しました!)

・北海道からの参加者:修学旅行の子供達が観光先の変な英語の説明や案内に触れ、そのまま覚えてしまうのは教育上良くない。コロナ禍の今だからこそ時間があるので、今やれることをやっていくのが必要ではないか。
今年のオリンピック・パラリンピックや今後の万博を考えても、各自治体や駅などにNNEと相談しながら変えられることからやっていきたい。

・今回の参加者が、比較的時差の少ないオーストラリアやニュージーランド、北海道、淡路島、熊本、千葉、懇談会ホストはアメリカと東京と多岐に渡り、同じ経験や思いを持っている人達が意見交換できたのは有意義だった。今後の活動につなげていきたい。

                         (2021年5月10日)


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