おかしな英語・目黒区編 その3
楠田 倫子
その1、その2と目黒区ホームページ英語版の改善要望について書いてきましたが、実は区長にメールを出すにあたって、当初見つけた個所以外にもいろいろ珍訳を発見しました。あげつらうつもりはないのですが、機械翻訳の特性を知るうえで興味深いので2例ご紹介します。
まずこれ。新型コロナの感染症対策本部を設置しました、という記事です。真ん中あたりに、区長が統括している、という主旨のことが書いてあり、その役職名が赤線部分↓
book Director Generalとあります。book???
答え合わせはこちら↓
「本」部長でした・・・
もう一つはこちら。「お知らせ」のコーナーです。
赤枠部分、かなり意味のとりづらい英文ですが、強いて和訳すれば「10月22日と24日はコンビニの発行業務を1:00に停止します」。注目ポイントは文末の「at 1:00」。
さて、答え合わせです↓。
suspend at 1:00 = 一時停止!翻訳ソフトさん、一時を1:00だと思ったんですねぇ。
冒頭にも書きましたが、決してあげつらう意図ではないのです。機械翻訳が文脈をくみ取れないとこういうことになる、というとてもわかりやすい事例だと思い、紹介しました。下訳を機械翻訳にかけること自体を悪いこととは思いませんが、最終稿として世に出す前に、ネイティブもしくはプロの翻訳者の目で校閲することが大切だと思います。
目黒区に限らず、行政ホームページは機械翻訳をそのままにしているものが多いようです。これからも粘り強く問題提起していきたいと思っています。
*記事中の画像は2020年10月25日現在のものです。
*本稿記載の二箇所は、2020年10月28日現在、訂正されていることを確認しました。前回よりも素早い対応!区長、ありがとうございます😊
(2020年10月28日)
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