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日本ベッドの歴史(9): 初代シルキーポケットとスリープソリューションのはじまり ─1990年代─

1990年代は大きな転換期


1989年の初めに、元号は昭和から平成へと改まり、続く1990年代は変化の大きな時代となりました。
1980年代後半から始まったバブル景気は、1991年に終わりを迎え、大きな事件、大震災、政治的変動など、日本内外共に大きな転換期に入ります。

バブル期には、人々はラグジュアリーな感覚を追い求めました。
家具業界に於いても、海外高級ブランドの日本国内出店など、ラグジュアリーな欲求を満たそうというトレンドは、この後、2000年代に掛けて継続します。
一方、1990年代前後は、クラシック家具隆盛の時代から、北欧家具へと関心が移行した時期でもありました。

生活者の意識にも変化が表れ、疲労感の高まりやストレスを自覚したメンタルヘルス意識の向上、あるいは、地球環境、環境問題などへの関心から、エコロジー意識の広がりがみられるようになります。

左は1991~1992年、右は1996~1997年のカタログ
当時はNOBLS(ノブルス)というブランド名を使用していました

寝心地の基本 マットレスに着目


日本ベッドにとって、1990年代は、あらためて寝心地の基本であるマットレスに着目した時代です。

この頃は「ていねいな暮らし」という言葉がメディアに登場し始めた時期でもあります。
生活の真髄は意識され、質に重きが置かれるようになりましたが、人々の睡眠時間はバブル期以前の水準には戻りませんでした。

生活の質を支えるための、睡眠の質の向上は大きな意味を持っていました。

独自技術のポケットコイルマットレスを上市した1980年代、日本ベッドは既に、新たなマットレスの開発に着手していました。
設定目標値を高く掲げた新たなマットレスは、新技術の開発成功と共に形になりました。
現在の主軸製品「シルキーポケットマットレス」の基盤となる「初代シルキー」の登場です。1996(平成8)年、70周年記念事業の一環として市場にデビューしました。

< 創業70周年記念 シルキーポケットマットレス >
謳い文句は「超密度」
従来製品の2倍もの高い密度の独立スプリングで
横になったからだを自然な感覚で支える
画期的なマットレスでした

1999(平成11)年には、当時の大田区池上本社に、時間の神という意味を持つ「CRO NOS クロノス」と名づけたショールームをオープンしました。

画像は2015年当時の池上ショールーム

日本ベッドはこの場を「SLEEP SOLUTION スリープソリューション」、すなわち、人々の睡眠へのご相談、ご要望にお応えしようとする場として提供しようと志しました。