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伊豆半島一周~ジオみを求め「探検」する~

日本大学探検部56期
文理学部 地球科学科 2年  佐野

『じお-み【ジオみ】(名) 地球科学的視点で「アガる」感情を呼び覚ます場所、物事。』

こんにちは!文理学部2年の佐野です。
今日は自分の好きな地学と地理の事を、春に回った伊豆半島の話を軸に話したいと思います。
この伊豆半島一周する企画を立てたのは僕なのですが、自分は静岡出身で伊豆半島北東部は子供の頃から行き尽くしていたもののそれ以外の地域はそんなに行った事が無く、せっかくだから行ってみたいな、と思ったため、この企画を立ち上げました。伊豆半島ジオパークとして多くのジオみの深いスポットが多く、疲れはしましたがメンバー二人付いてきてくれたおかげもあり楽しく回る事が出来ました。

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まず最初に降り立ったのはこの駅、三島駅です。
三島大社の鳥居前町や東海道の宿場町として栄えたこの周辺は富士山からの三島溶岩流の端っこにあたるため、至る所で湧水が見られます。

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ここでも大量に水が沸いていて日本一短い一級河川でもあるようです。富士山の雪解け水が長い時間をかけて浸透しここまで来て湧いていると思うととても神秘的ですね。

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楽寿園では縄状溶岩などの大小様々な溶岩を観察出来ます。ここがさっき言った溶岩流の先端に当たり、湧水しているようですが2月に行った時は池はカラカラで水が溜まってませんでした。

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しかし後日また行ったところ、水が満タンになっていたので行くなら今ですよ。

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ここは火山岩頸と言う火山の火道だけが侵食に耐えて出来た地形で、壮大な岩肌が広がります。

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修善寺温泉と呼ばれる竹林の美しい温泉地は弘法大師が開いたお寺、修善寺と共に歩んできました。

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タカアシガニで有名なこの漁港には砂嘴、御浜岬があり、自然の防波堤となっています。御浜岬越しに見る富士山はとても風流です。

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この町は金山で栄えました。金鉱脈は熱水が地下の金を溶かし込んでそれが冷えて沈澱すると出来ます。金も火山の賜物なんですね。金山を掘るに伴って温泉が湧出し、今では素晴らしい温泉地です。駿河湾フェリーはここに発着します。

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夕陽に映える黄金崎とよばれる岩肌は熱水の作用により岩石が変質し、このような金色のような岩肌になりました。

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伊豆の夕陽スポットでは毎回挙げられるこの田子。数多くの奇岩が存在し、それが夕陽に染まる絶景は是非目に焼き付けたいです。

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かつてマグマの通り道であった岩脈が海岸に点在しています。岩脈には6角柱状に割れる柱状節理が見られ、奥の方に行くと大規模な柱状節理の壁が見られます。ここは砂浜ではなく石ころの海岸なので怪我しないようにご注意ください。

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三四郎島は見る角度によって見える島の数が違うため、このように呼ばれます。三四郎島に繋がる砂州はトンボロ(または陸繋砂州)と言って、島があるおかげで海流がここだけ弱まり、堆積したものです。ここのトンボロは潮位の違いによって出現したり消えたりします。僕らが行った時は残念ながら見られませんでした。堂ヶ島のもう一つの目玉、天窓洞ですが、波が強く、船に乗れなかったのでまた、リベンジしたいと思います。

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沢田公園露天風呂では絶景の露天風呂を楽しめます。枯野公園は海底火山による水底土石流や溶岩が水中で急冷することでできる水中破砕溶岩の地層、火山灰の地層が上の地層の重みで変形した火炎構造などがみられます。

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かつて古代島と呼ばれ、海を渡って往来したこの島ですが、今や工事で陸続きとなっています。水冷破砕溶岩が見られます。

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雲見温泉には烏帽子山と千貫門という風光明媚な山があります。この二つの山は両方とも城山と同様に、火山の火道のみが侵食に耐え残った火山岩頸(火山の根)であり、烏帽子山には登ることが出来ます。ここで、雲見から先へはバスが一本しか出ていなかった上、もうその日のバスは終わっていたため、万が一を考え松崎に戻って下田に行くことにしました。南伊豆町への壁は高かったです。

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下田はペリー艦隊が2回目に来た時に入港した港で、日米和親条約により開講した港です。写真の場所は「ペリーロード」とよばれ、ペリー艦隊が下田に上陸し300人の部下を引き連れ了仙寺まで行進した約400メートルの道のりで、今では石倉やなまこ壁の町並みが残る風情のある川沿いの小径です。

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竜宮窟は波の作用により形成された海蝕洞で、天井が崩れることでこのような天窓ができました。隣にあるサンドスキー場は砂堆と呼ばれるもので風により砂が吹き上げられ、堆積して出来ました。ここでは岩脈も見られます。

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恵比寿島では軽石や火山灰が織りなす美しい地層や水底土石流による地層が見られ、波蝕台も見られます。ここでは遺跡も見つかっているようです。爪木崎の海岸線には溶岩が冷えるときに六角柱状に割れた柱状節理が沢山見られます。まさに福井県の東尋坊や兵庫県の玄武洞を想起させます。

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河津桜は早咲きの桜で1955年に発見されました。桜で町おこしとは粋ですよね。

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100℃の温泉が噴き上がっています。ふだんは蓋をしていて、1日7回弁を開きます。ここでは温泉でゆで卵を作れます。

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鉢ノ山から流れ出た溶岩流の一部は佐ヶ野川を流れました。ここでも柱状節理が見られます。

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天城越えの歌詞にも出てくる浄蓮の滝です。この時伊豆を回った時には行きませんでしたが後日行ったので。こちらは鉢窪山と丸山から流れ出した溶岩によりできた滝です。こちらも柱状節理が美しいです。

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一碧湖はマグマが海水や地下水に触れて起きたマグマ水蒸気爆発によってできたマール地形です。周囲には爆発角礫岩が見られます。

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大室山はスコリアが火口の周りに降り積もってできたスコリア丘でリフトを登った先では伊豆高原を一望できます。元堰き止め湖であった池や富士山、溶岩ドームである矢筈山、孔ノ山、そして伊豆大島などが一望できる大パノラマです。(ふもとでわさびソフトクリームが売っています。おいしかったよ)

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大室から噴出した溶岩によってできた城ヶ崎海岸。柱状節理も見られここの海岸の自然の造形美には息を呑まざるをえません。波の作用によって削られて出来たかんのん浜球体ポットホールは見つけるのは大変ですが必見です。(こんなまんまるなのが自然にできたんですよ、すごいよね)
最後にこれを見つけたあと疲れ果ててしまったため、伊豆急に乗り、解散としました。

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(伊豆急から見る景色も素晴らしいものです。)

長々と書きましたがここまで読んでいただきありがとうございました。自分はまだまだ未熟なので、間違っているところもあるかもしれません。もし、間違っている情報等があったらご指摘いただければ幸いです。伊豆半島にはまだまだ沢山の魅力があります。きっとこれからも人気の観光地であり続けるでしょう。しっかりと感染症対策をしたうえでGo to伊豆、いかがでしょうか。

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