何かに取り組む人が決して間違えてはいけない「とある順番」
(トプ画はPixadayからNASA-Imagery作)
朝方とても寒いですね……目が覚めても布団が暖かくて外は寒くて、布団から抜け出るのも時間がかかります。やっぱり目が覚める≠起きるだなあと痛感します。
「始めること」の難しさ
私たちは日々、なにかに取り組んでいます。資格試験の勉強、ダイエットや筋トレ、入試勉強…それらはまさしく人生をより良く生きるため、QOLを向上させるためにとても重要なことです。
一方でそれらの活動は、たとえ人生を良くするものでも、あまりポンポン気楽に行動に移せるものではありません。活動によって成長した自分を想像して一瞬胸を高めながらも、それまでに経験するであろう苦労がちらついて、始める前からなんとなくげんなりとしてしまいます。
よほどフットワークの軽い人間でなければ、作業に入るまである程度ラグがあるものでしょう。どうすれば私たちはやる気満々で作業に向き合うことができるのでしょうか。
実は、そこの、理想と現実において心理学的なメカニズムからくるギャップこそが、動けなくなる一因なのです。
脳科学者として有名な池谷裕二氏の著作『受験脳の作り方』には以下のように書かれています。
ヤル気は、脳の「側坐核」という場所などで作られます。側坐核は直径一センチメートル以下のとても小さな脳部位で、脳の中心近くに存在しています。この側坐核の性質がやっかいなのです。側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要なのです。刺激が来ないと十分な活動をしてくれません。
要するに、何もしない状態でやる気が湧き上がってくることはほとんどなく、まず何より作業を始めることで脳を刺激する、そうすると集中できるようになるということです。これは「作業興奮」と呼ばれています。
フローチャート的に見ると
「やる気が出てくる → 作業を始める」
ではありません。逆なのです。
「作業をしている → だんだんやる気が出てくる」
なのです。
実は、「作業を続ける」ことよりも、「作業を始める」ことの方が大変なのです。
もしかしたら「疑わしいな…」と思う人もいるかもしれませんね。でも、勉強に限らず日々のアレコレを思い浮かべてみましょう。
・始めるまではめんどくさかった掃除を一度始めてみると「ついでだからあっちも掃除機かけよう」としっかりやり始める。
・報告書ちょろっと書いて済ませるか、と書き始めたらなんだか細々したことも書いておこう…となってしまう。
人の作業というのは実際は「ついでに~するか」「~もしておこう」といった、なんとなく作業を+α積み重ねてみるという感覚からなる、ということなのです。
なによりもまず大切なこと
僕がこの話から伝えたかったこと。それは決して「何よりもまず動き始めることが大事!」……という、メカニズムからわかる正解の行動…ではありません。そんなこと、ここまで話せば皆さんおわかりでしょう。
それよりもたいせつなことは
「やることがあるのになんとなく動けない」という状態は、
決して恥ずべき、自責すべき、愚かな状態ではない
「<作業を始める態勢に入る>という作業」自体が大変なことで
それをひとまずやれただけでも当然と思わず
「始められそうだ!すごいぞ自分!」ととらえること
なのです。
甘い、甘いぞと思う人もいるかもしれません。でも。
最も過酷な「開始」という段階をひとまず終えて、そしてそこからさらに終わりに向けて長い道のりを始める自分を、スタートと同時に鼓舞したって、なんのばちも当たらないでしょう?
僕もまずは、朝の布団からすぐに出る!!という至難の業を、頑張って成し遂げたいと思います……コレガホントニムズカシイ
参考書籍
池谷裕二『受験脳の作り方』
エビングハウスのような有名なことからちょっとした小ネタまで。受験に限らず様々な作業の材料にすることができるでしょうし、まあ。
こういうのを胡散臭いと感じる人もいるでしょうが、食わず嫌いにならず一度触れてみるのも悪いことじゃないんじゃないかなーと思ったり。
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