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【読書レビュー⑥】宮部みゆき「理由」

こんばんは。PisMaです。

本日も「理由」を読んでいました。
読んだのは7章「買受人」と
8章「執行妨害」。

7章では、出頭した小糸信治が渋々警察にこれまでの経緯を説明しているところから始まります。
信治は不動産にかかわる詳細な事を聞かれても、ぼかしたり答えなかったりと要領を得ない部分もあり、話が終わるまで長い時間がかかったようです。
小糸信治の捜査が行われるなか、重要そうな証言が浮かび上がって来ます。「買受人」である石田直澄の母・石田キヌ江。
彼女と連絡がつき、警察の聴取の最中に電話がかかってきます。
電話の相手は直澄。直澄のただならぬ様子にキヌ江は困惑します。キヌ江の様子から警察が来ていることを察し、さらに声色の強張る直澄。
「あんた大丈夫なのかい」と尋ねるも、


「今はとてもじゃないが警察になんて会えない。あったら大変なことになる」

「けど俺は誰も殺してない。あの人たちを殺してはいない。だから信じてほしい」

とだけ伝え、キヌ江の代わりに警察が電話を変わる間のうちに通話は終了していました。
直澄はなぜ買受人となったのか。また、殺してはいないけど絶対に警察に会えない理由とは。
今わたしがパッと思い浮かぶのは、確かに「占有屋」として違法行為を行ったことは事実でありなんらかの罪に問われるのは間違いない。しかし複雑な事情…それこそ前章で登場した宝井綾子との関係や、この話を持ってきた不動産屋を庇わなくてはならない事情があるのかくらいしか私には思いつきませんが、いま表にでては最悪な事態になることだけは察することができます。

なぜ逃亡するかのような手段に出たのか。それが分かるのが楽しみですね。

それ以降では、8章「業務妨害」を含め、今回起きてしまった不動産のトラブルの主な原因や手口、今回行われたウエストタワー・二〇二五号室の住民入れ替わりのカラクリについてフォーカスの当たった話題が続きます。
ウエストタワー・二〇二五号室の事件は、法の隙間で暗躍する不動産界隈の闇を色濃く残す事件でもあったのだというのがまざまざと描かれていて、緻密な取材のもと構成されているのが分かり感服します。

正直なところ私には少々ややこしく、難しい専門的な内容になっていると感じました。
競売とはどんなものなのかというところから、競売の利点、問題点、裏の手口の取られ方まですごく細かく説明されています。
自分でも理解し切れているか不安ですが、流石ベストセラーのリーガルサスペンスだなと本領を味わった気がします。

さて、本日はここまで。また読めたら続きを書きます。そろそろ単発でも挟もうかな。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
不動産関連は詳しい人に。詳しくても上手い話にはご注意を。

おやすみなさい。

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