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【読書レビュー①②】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

今回は「巣」の続き。前回は家に住まう「しいちゃん」という存在に言及していきました。「しいちゃん」とは何者なのでしょうね。

美苗が祖母と話していると、綾子がちょうど部屋に入ってきます。良いタイミングとばかりに美苗は綾子に「なぜあの部屋に人形を入れたのか」という質問を投げかけます。
綾子の解答は「なんとなくそれが良いと思ったから」。部屋に入れた人形は「友引人形」といい、なんでも綾子が暮らした地元でそういう風習があると教えてくれます。なんとなくで怪異の欲しがっている事を察することができる綾子さん…
なんだか怪異の才能がありそうです。

鬼頭の新しい人形のおかげで、内藤家には穏やかな静寂が続いていました。もし桃花が無事であったのなら美苗はすぐにでも引っ越していたのでしょう。桃花が目を覚まさない今、美苗はこの家で、桃花のいるであろうあの部屋に話しかけ続けます。

祖母の体調が悪くなり、綾子と祖母が病院に行ったある日。美苗はちょうど兄と出くわします。
家になかなか居ない兄に、怪異のことを尋ねてみる美苗。

すると兄はあっさり「何かいると思う」と怪奇現象の詳細を認めたうえ、「新しく家なんか買えないし」と現実的な部分で引越しには反対しています。美苗は「綾子さんに仕事を任せっきりにしすぎじゃないか」と、兄の圭一が普段家に帰らず、家事も手伝わないことに関していつものように小言を言ってみたところ、ちょっと意外な返事が返ってきました。

「そういう約束で結婚してもらったんだよ。俺が。」

圭一は綾子の「家事や一切をわたしに任せて欲しい」という条件で綾子と結婚したというのです。結婚してもらった手前なのか、故に家のことも「綾子が気にしていないなら別に」という姿勢を維持しており、圭一は綾子の意見や気持ちを最優先していることが窺い知れます。
これには美苗も驚きです。美苗は何度もそこを違和感に感じていたわけですから、そういう約束だったのなら早く教えて欲しかったんですけど!圭一!と私は大人気なく思ってしまいました。

人形の効果も切れ、再開された足音の中に美苗は桃花を探します。
足音に耳を澄ませながら、美苗がこの家やこの部屋の曰くについて更に気になり始めた頃。
突然祖母の訃報が舞い込んできます。

「あのね…ばあちゃん、亡くなったの。たぶん夜のうちに。とにかく起きて」


今日はここまで。
ついに内藤家で一人目の死亡者が出ましたね。
一見、病でもなんでもないただの老衰のように見えますが…祖母は何かに呼ばれたのでしょうか。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
しいちゃんと遊ぼう。

おやすみなさい。

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