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【読書レビュー①⑤】尾八原ジュージ「巣」

こんばんは。PisMaです。

本日はちょっと予定を変更して、「巣」のレビューを書いていこうと思います。

前回は、桃花を助けることが出来ないことが判明し修羅場になったところで終わりました。鬼頭は今後どう関わってくるのでしょうか。

店にいるのがいたたまれなくなり、店を出た三人。一度家に帰る美苗と父。父に諌められ、次に会った時は謝らなくてはと決める美苗でした。

井戸の家。まったく我が家という実感の湧かない… ひとつの生き物のような場所。この家にいる何かは人間を捉えるための「巣」のようです。疲れを強く感じた美苗は、桃花のいるあの部屋に声をかけてから休むことにします。
そのまま寝入ってしまい夜の十一時に起きた美苗。綾子の作ってくれた夕飯の作り置きを食べた後、桃花に声をかけようとあの部屋へ赴きます。

すると、あの部屋から声がします。
明かりを消した廊下に人影。

綾子でした。

そして、あの部屋は黒々と開いています。


「うん、そう、みんなここにいてほしいの。だって賑やかな方がいいでしょ」

世間話をするかのような調子で話す綾子。黙って見ているのが耐えられず美苗は「何やってるの?誰と話してるの?」と声をかけます。

扉を閉めた綾子は「しいちゃんと話していたの」と答えます。
綾子はこの部屋に居る何かについて一定の理解を示しつつ、知っている。
「しいちゃんって誰?なんで綾子さんは知ってるの?」と聞くも、
「わたしにも知らないけど、この子がしいちゃんなのは分かるの。この子が欲しがっている家族が何なのかもよく分かるの」
と、しいちゃんに共感を示しているようでした。

「訳がわからないわ。しいちゃんって何?」

「小さい女の子」

綾子の声に被さるように響く少女の声。

美苗が固まっていると、綾子は「ちょっと話しましょうか」とキッチンの方に歩き始めます。

「よく考えたら美苗さん、私のことよく知らないでしょう。この家をずっと出てたもんね。家族にそういうのよくなかったわ」

歩き出す綾子に、美苗は後を追いました。

ちょっと早いですが、本日はここら辺で。
次回は綾子の過去が分かりそうですね。
家のことをなんでもやってくれる、家族が大好きで不気味な兄嫁。なぜ彼女が人形をあの部屋に入れる処置が出来たのかなど細かい事情が分かりそうですね。
彼女はどんな過去を持っているのでしょうか。

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
家族が欲しくてたまらない2人。

おやすみなさい。

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