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【読書レビュー①①】宮部みゆき「理由」

こんばんは、PisMaです。
1ヶ月読み続けてきた「理由」も終盤。
最後までお付き合いいただければ幸いです。

今回読んだのは
17章「家出人」
18章「綾子」。

17章「家出人」では小糸家に住んでいた住人「砂川里子」を名乗る人物と「砂川トメ」を名乗る人物の身元が判明していきます。

「砂川里子」の本名は秋吉勝子。草津出身で、人に尽くすところが多々ある人物でした。この情報から、二〇二五号室にやってきた小糸孝弘を邪険にせず、色々と世話を焼いていたことにも納得できます。

「砂川トメ」は、老人ホームからの外出中に行方不明になっていた三田ハツエという人物でした。三田ハツエはもともと気丈な淑女であり、砂川家に住んでいた惚けの入った老女を、三田ハツエだと断定するのには時間がかかりました。
外出中に事件に巻き込まれ、外傷を負ってからは車椅子で生活するように。外で迷っていた謎の老女を、人一倍お人好しな砂川信夫と秋吉勝子は警察に引き渡すのもかわいそうだと保護、一緒に住んでいたようです。

こうして「砂川里子」「砂川トメ」の身元は分かりましたが、未だに「砂川毅」の身元は不明なままです。そしてこの「砂川毅」の正体をよく知る重要人物…宝井綾子にフォーカスが当たっていきます。

18章「綾子」。
綾子の弟・宝井康隆は、両親にも綾子の秘密「綾子が事件の日二〇二五号室に赴いており、八代祐司を殺している」ことを未だ言えないまま、随時更新されていく事件のニュースを眺める日々が続いていました。
綾子も特に変わった様子はなく、息子の祐介と日常を守り続けています。

しかし康隆はこのまま黙っていていいのかと葛藤を続けていました。特に姉の代わりに石田直澄が犯人の疑いを被り、逃げ続けていることがひっかかっているようでした。
姉の綾子は「祐介を犯罪者の息子にしたくない、祐介と一緒に居れなくなることが嫌、捕まりたくない」という気持ちと「このまま丸く収まるわけがない、早く自首した方がいいのだろうか」という気持ちの間で揺れます。

そして何故石田直澄は罪の疑いを被ってまで逃げることになったのかの真意が、綾子の口から明かされます。


「石田さんは、赤ん坊が可哀想だから、自首なんかしちゃ駄目だって言った」。

石田直澄は、「母親は子どもと離れてはいけない。そばにいるべきだ」と自ら罪を被っていたのです。これには納得がいきました。
石田直澄の妻は子どもを残して亡くなっており、子どもたちが寂しい思いをしながら過ごしていたことを知っていたからですね。「自分の子どもたちのように悲しい思いをさせたくない」と、綾子を庇っているのでしょう。

そして共同生活をする上での金銭トラブルが原因で、八代祐司が砂川一家の三人を殺していたことも判明します。
犯人はすでに亡くなっていたのでした。

捕まる可能性があるのは、八代祐司を殺した綾子だけです。

綾子はこの後どんな選択をするのでしょうか。


本日はここまで。
次回が最終回です。どうぞ最後まで見ていただけたら幸いです✨

お相手は黄緑の魔女PisMaでした。
ずっと一緒にいれたら良いのにね。

ご機嫌よう。




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