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映画「パラサイト」が話題になってますが、他人事じゃないパラサイターとしての鉄則とは?

先日パラサイトを観に行ったが、平日の昼間なのに満席状態。日本公開の韓国映画にしてはなかなかの話題作である。上映のギリギリに駆けつけたからか、前の端っこの席しか空いてなかった。

隣席では、スーツ姿のサラリーマンが一人で馬鹿でかいポップコーン食べながらジュースを飲んでいた。

映画館とは映画を楽しむだけのスペースではない。映画はただのきっかけとも言える。恋人と手をつなぐきっかけ。ジュースを飲むきっかけ。それこそポップコーンを食べるきっかけ。声を立てるなというが、大笑いしたっていい。静かにただじっと観てるだけが映画ではないのだ。

しかし、いつもは気にならないその仕草や物音が、その日ばかりはやけに癪に触った。ポップコーンを掴む時の音がやたら大きく感じ、気になって気になって仕方がないのだ。「頼む、やめてくれ!」。予告の間、その仕草を横目で見ながら念じていた。

一人で食べ切るるサイズではないポップコーンだろうか。これを食べ終わるまで延々にポップな音を我慢しなければならないという途方もない未来を想像してしまったからだろうか。

「こやつの隣に恋人がいればまだ許せるのに・・・」と何度も思った。

いや、正直に言う。ポップコーンの大きさなど大したことではない。

一番気になったのは、平日の昼間から、スーツ着て映画見てるというその不真面目さだ!!!

自分が社長だったら、「てめー外回りを口実にさぼりやがって、会社にパラサイトしてんじゃねー!」と怒鳴り倒しているだろう。

何もしなくても給料が入ってくることに甘え、サボり方だけは一丁前になってしまった体たらくの成れの果て。。。会社という空間は、かなりの自己申告制で成り立っている。言い方を変えれば、正直に仕事する奴は馬鹿だ。案件を抱えなければ抱えないほど、忙しいフリをすればするほど、割合がいい。男はそんなことを言いたげに堂々と音を立てながらポップコーンを頬張っているように感じたのだ。

もう少し、肩身の狭い感じでいて欲しい。

「たまたま有給中の上司に出会ったらどうしよう?」とか思いながら、ソワソワして欲しい。馬鹿でかいポップコーンに苛立つのは、そのふてぶてしさを感じるからだろう。

同じ様に、会社を抜け出し観に来ている私を見習って欲しい。

万が一鉢合わせしてもバレない様にマスクをし、客電がついていある間は俯きながらスマホをいじり、アリバイ工作に耽っている私を。私だって、堂々とポップコーンが食べたいのだ。でも、平日の昼間からその勇気はない。こちとら抜け出してきているのだ。一刻も早く会社に戻らねばならないのだ。なぜならこんなことがバレたら首になり、会社にパラサイトできなくなるからに他ならない。

実際映画の登場人物もまた、パラサイトしている自覚のない奴らばかりで、そこからどんどん歯車が狂い出していく。バレたらどうするんだ?と言うことばかりしていて腹が立つ。

サボるなら申し訳なさそうに「生きててすいません」と、ポーズでいいからやって欲しい。裏では申し訳なさそうに、しかし表では堂々と。それがパラサイターの鉄則なのだ。

私はそれをやっている。さも打ち合わせをしてきたかの様に帰社し、「いや〜まいったよ」と、何もまいってなどないのに独り言を言いながらパソコンを開くのである。

人は自分がやっていることを他人がやっていないと腹が立つのだ。

そもそも、仕事をサボって映画を見るなんて言語道断である。サボるのは自分だけで十分だ。ちゃんと日本のために働いてくれ!!


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