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王さまの本棚 75冊目

『ちいさいモモちゃん』

松谷みよ子作/菊池貞雄絵/講談社文庫

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小さいモモちゃんシリーズがママのお話、ということには驚いたので、何度か言っていることですが、わたしが読んだのって『モモちゃんとアカネちゃん』までで、モモちゃんシリーズは全6巻だそうです。OH読んでない!!!持ってない!!!これも引き続き、図書館案件です。

文庫本って本当に値上がりしたよねえ……と思ったら、いま、酒井駒子が絵を描いているのね!わああかわいい!!酒井駒子好きなんです。でも、この人の絵は静謐なので、子どもの躍動する息遣いを感じられるのは古い文庫本の挿絵のほうかもしれません。

Twitterの木の根の話というのは、モモちゃんのママとパパの別れのシーンで、パパは歩く木、ママはその場所ですくすく育つ木なので、一緒に植えられてもうまくいかず、根が絡まり合って両方死んでしまう、生き延びるためには根分けするほかない、というものでした。夫婦というものを同じ鉢に植えた木に例えて、両方が成長する鉢、片方につたが絡みつく鉢など様々だ、という森のおばあさんの言葉には説得力があって、ママの哀切が胸に迫る表現でした。

これこそ、子どものときに読んだらよくわからないシーンで、おとなになってこそ理解できる物語なんじゃないかな、と思います。
本って子どものころから繰り返し読むことによって、理解が深まるところがあって、その年齢なりの解釈や受け取るものの違いがあればあるほど、豊かな土壌の上に立つ物語であると言えるんだろうなあと思います。

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