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王さまの本棚 40冊目

『銀のくじゃく』

安房直子作/赤星亮衛絵/ちくま文庫


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学生時代、本屋でバイトをしていました。地元駅前のショッピングモールに入っている、普通のチェーン系中型本屋。
というわけで、学生にしちゃ生意気にも、古本にはちょっと抵抗がありました。だって作者に印税入らないじゃない。図書館をちょくちょく利用していたので、まあ、まあ、もう、一緒なのですが。知った口きいてすみません、北欧のどこかの国が「図書館で本を借りると作者に印税が入る」という仕組みを持っているそうですね、素晴らしいと思います。なんでうちの国はこんなに貧しいんだろう。

まあ印税はさておき、わたしも本好きのはしくれ、古本屋にもなんとなく入るわけでして、とくに大学駅前にあったブックオフにはたまに足を運んでおりました。

そこで100円コーナーを見るともなしに見ていたら、吸い寄せられるように視線が寄ったのが、こちら『銀のくじゃく』。タイトルがすばらしい。しかも100円。いくら学生で、ちょっとけち臭い生活をしていたからとはいえ、実家住まいの気楽な身分、バイト代もちょっとしたお小遣いになる。レジに直行して、誇らし気に手に入れたことを覚えています。

安房直子さん、児童文学大好きなくせに存じ上げませんで……いまちょっとグーグル先生にたんねただけでどえらい賞をいくつもボンボン受賞されている、そして、『うさぎのくれたバレエシューズ』たぶんむかし読んだなあ、あんまり覚えてないけど、同じ作者の話と言われたらそれらしいかもしれない、程度、ほんとうに失礼であります。

嶋津さんの知性の交換に贈らせていただいたのも、実はこの本。

知性というと難しい本が集まりそうなので、良質な幻想世界でほわっと寛いでくださったらな、という思いでした。

ところでわたし、この『銀のくじゃく』という名前の付いた香水を持っておりまして、というのが自慢。
調香師が「好きな言葉」をモチーフとした簡単な香水を調合する、というイベントに参加したとき、作ってもらったものです。
のこりが僅かなのですが、ほうっておくとどんどん蒸発してしまう瓶の仕様なので、気にせずじゃんじゃん使っています。あと、エッセンシャルオイルとウォッカで作る簡単なものらしいので、いつかネットで作り方を調べて自分で調合したろ、と思っています。

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