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スペインはアンダルシアのオレ葱サラダ(レモホン)

さて、ふむ。

先日、SNSでこんな告知があった。

給食に使われるはずだった、地元産の農作物が余っています。たすけてください。新玉ねぎを量り売りするので、おねがいします。

わたしはこの話に、一も二もなく飛びついた。
理由はまたまた塩梅かもめさんのレシピエッセイ。そこでアンダルシアの『オレンジと玉ねぎのサラダ』が紹介されており、ちょうど、『とても新鮮な新玉ねぎ』が欲しいと思っていたところだったのだ。

翌日わたしはさっそく、玉ねぎを求めるべく松葉色の自転車を漕ぎ出した。
わたしの自転車は買い物用に買った松葉色のママチャリ・おまつさんと、空色のロードバイク・松井さんとがある。まあ、自転車についてはまたおいおい。

直売所はなかなかな盛況だった。ソーシャルディスタンシングを守りつつ、ソーシャルNSの拡散力のすごさを思い知るような、とぼんやりしていたら、順番が回ってきたのでお値段を見る。

1kg、250円。めちゃでか泥付き新玉ねぎが、3個入ってこれ。お安い。めっちゃお安いやん、これ。

3個だとちょっと寂しかったため、なんとなく2kgを選び、500円を支払う。いまやっと気づいたが、新鮮な玉ねぎへの欲はもちろんだが地元を応援する気持ちももちろんあったので、スコシクライ上乗せするべきだったのだろうか。時すでに遅し。わたしは大概ぼんやりとしている。

ところで、あるあるだと思うんですけど、テレビの大きさって電器屋さんへ行くと小さめに錯覚しがちじゃない。32型なんて、PCのディスプレイ?なんて思ってしまう。家のテレビはちょっと前まで20型だったし、PCのディスプレイだって20型でちょうどよいというのにね。50型くらいだとちょっと物足りなくて、60型や70型になって、やっとちょっと立派かな?なんて。

それと一緒で、買うときには気づかなかったのだけれど、家に帰って見てみると、この玉ねぎが、えらく大きくてずっしりしている。……ほんとうに、でっかい。一番大きいやつの直径なんて、三徳包丁の刃渡りくらいある(ヘッダー参照)。
思わず自宅にいるおタコ(夫)に見せに行こうかと思ったが、テレワーク中であることをかろうじて思い出したため、止めておいた。仕事中に妻が玉ねぎ持って踊りながら部屋に入ってくるなんて、ちょっとイヤよね。

その日の晩ごはんは結局、その一番大きな玉ねぎをコンソメスープにした。オレンジもオリーブもなかったし。

しかしまあ、スープにするため、繊維を横に断ち切る。先日夫が研いでくれた包丁がするする入って気持ちがいい。玉ねぎにあるまじき大きさのため切りづらいけど。
鍋に入れるまえ、芯のところをつまみ食いしてみた。

じつは、わたしは生の玉ねぎのせいで、腹痛を起こして動くに動けなくなってしまったことがある。一度ならず二度までもだ。以来生玉ねぎを大量に食べることはさすがに避けていたので、恐る恐る口に運ぶ。懲りないところが、食いしん坊たるわたし。

てっきり、しゃり、という感触を予想していたのだが、さく、という、柔らかな食感がわたしを迎える。玉ねぎ特有の辛みはほんのり感じる程度、まるで火が通っているかのように甘い。これは驚き。新玉ねぎとはいえ、生だよ、生、なのにこの甘さ。糖度計で計ったら酸っぱいみかんとか青いキウイなんかよりよっぽど甘いんじゃないだろうか。新鮮ってすごい。

その日、煮込んだらするりと溶けて、食べるころにはほぼなくなってしまっていた。スープが、しみじみと滋味深かった。

翌日、オレンジとオリーブを入手していざ。

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大きさ比較のためぬか漬けにする茄子も並べてみたが、よく伝わらない。とにかく、袋に入っていた中で二番目に大きな玉ねぎだ。
玉ねぎの辛みを抜くには水にさらす、空気に触れさせる、と聞くが、水にさらしすぎると今度は玉ねぎの栄養まで流れ出てしまうらしい。(面倒なので聞きかじり。調べない。)

あ、ぬか漬けリターンズを始めました。冬の間冷凍していたぬか床をやっとこさ解凍して、今年は冷蔵じゃなくて常温でやってみようかと気まぐれて、朝夕混ぜ混ぜはじめたところ。アンダルシアから茄子、を連想したわけでは、さすがにない。

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そこで、ビネガーがバルサミコ酢と米酢しかないことに気づく。何という極端……ビネガーは控えめでよいとあったので、バルサミコ酢(カルディのセールで買った)ではなく癖の少なそうな米酢を使うことにする。バルサミコ酢といまいち仲良くなり切れていないわたしである。
甘辛味が好きでない母の影響を受けていて、酒出汁薄口醤油が三種の神器だったけれど、さいきん味醂やお砂糖とはだいぶ仲良くなれました。あ、あ、甘辛味って、おいしいやんか……!と気づいたのは自炊を始めてずいぶん経ってから。ぼんやりぼんやり。うっかり。

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しかしそんな母、普通のお店から妙にかわいいものを探し出してくる能力に長けており、

「え!このシーツかわいい!どこで買うたん?」
『そこのイオンやでー。』
「え!!この猫足トングめちゃかわいいやん!どこで買うたん?!」
『生協やでー。今度あんたの分も頼んどいたげよか?』
「ありがたや、母上さま!!」

なんて会話がしょっちゅうある。これはまさに、そのトング。小さくて便利です。

ところがこの段になって、もう、ほんっとうに間の抜けた話、ようやく気付いたのが、わたし、ゆで卵を作り忘れていた!慌ててゆで始めながら、ほかの材料を適当に混ぜて冷蔵庫に放り込む。

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で、できたのがこちら。パプリカも切らしていたので、絵の具を散らしたような鮮やかな色彩、とまではいかなかったが、おそるおそる、オレンジと玉ねぎをつまんで口に入れてみると、種類の違う甘さ、酸味、辛み、食感がまさにはじける。これはまさに、楽しくなっちゃうサラダ、だ。
塩と米酢の量はかもめさんのアドバイス通り控えめにしたが、この『控えめ加減』も正解だったように思う。

一晩経って朝食にも食べたが、玉ねぎがいい具合にしんなりして、これはこれでまた有り!
ホットサンドメーカーを買ったところなのですが、中に挟んだらこれまたおいしかろうな。


参考にさせていただいたかもめさんのnoteはこちら。今回もありがとうございました。
写真は比べちゃダメ……ダメ……


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