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読書感想 【経済社会の学び方】

こんにちはにどです。

以前、読了した本
2021年9月25日発売の
中公新書 猪木武徳著
経済社会の学び方 ~健全な懐疑の目を疑う~

の感想を書いてみようと思います。

まず、読むの苦労しました・・
ただ、新書の良い所で基本的に
目次を見て、気になるところから
読み進めていきました。
何度も戻りながら読了致しました‥

この本をなぜ読んだか。

昨今、情報が溢れかえり、
ネットで得た知識がすごい人や
データは不明だが、発言力さえあれば
なんか、説得感がある人。
そのような人と関わる時に
漠然とした不安感を覚えて、
本屋で手に取りました。

僕は経済学部を卒業した訳でもなく
科学や政治の学問も嗜んでいませんが
読んでみました。

まず、一言感想を
「新しいネットリテラシーの本」
と少しオバカな感じがしますが(笑)
僕なりに、その感想に至った
経緯を書き示していきます。
宜しければお付き合い下さいませ。

おわりにから読んでも大丈夫です!

どのような人に向けた本か

おそらく、一番は社会研究?
何らかの研究に従事する方に
向けた本なのかなと感じました。

ただ、僕は研究を生業にしてません。
なので、著者の言葉の中から
無理やり読む対象を広げてみました。
まえがきの本文中に

政治の世界でも経済の分野でも、国際社会は大きく揺れ動いている
このような予測の難しい不安定な時代には、
物事を正確に把握して筋道を立てて考える力が必要になる。
本書の目的は、
この複雑な経済社会を少しでも正確に把握し、問題点を抽出し
いかに対応すれば良いか考える際のヒントを示すことにある、

少し前置きがあり

本書で取り上げた問題について少し立ち止まって考えるきっかけ
になればうれしい。

とあります。
新書2ページの中で考えるという言葉が
頻繁に出てきます。
考えるって行為は現代では以外と
難しくなっていると感じます。
情報化社会なので、自然と目にしたものを
自分の中に取り込んでしまいます。
ですので、
考えるって言葉に反応する方は、
何らかの示唆を得られると思いました。

物事を考える方法

"まえがき"からも読み取れるように
物事を考えるには
・正確な把握 
・問題点の抽出

という行為を経て
・対応を考える
というプロセスがありそうです。

正確に把握し問題点を出す
このプロセスにおいて、重要なのが
・文書資料
・数字
が挙げられていました。
おそらく、
ある事象の先行研究や歴史、
数字は主に統計等のデータ
であると読み取りました。

こういった情報を先に把握してないと
無茶な議論になる!とあります。
つまり、客観性がないと
主張ばかりの議論になるという事ですね。

一方で、こうゆう注意喚起もしています

論理的に証明可能な「真理」と論証する事の出来ない
「真らしい」物事があるという事を知る必要がある。
論証を目的とする学問と探求を続ける学問がある。

つまり、科学的なことは数字や根拠から論証できる。
人の心だったり行動なんかは論証できないし探求するものだ。
と理解しました。

身近な例で考えてみました。
正しいかは分かりません・・
ある家電(ここでは食洗器にします)の
購入を夫婦で検討したとします。
購入前には
・公式HPで機能面の把握(過去モデル等の文書)
・容量や稼働音などの数値(サイズやデシベル等の数字)
この辺りの情報を得ていくと思います。
そのうえで、
容量的にフライパンは入らないから手洗いしよう。
だとか夜だと音が響くから日中に稼働させよう。
1食毎に稼働させれば効率的だね。
なんていう具体的な話し合いになると思います。

一方、情報を取らずに購入を検討すると
お皿は結構入るんじゃない?とか
本体が大きいから音がうるさそう・・
あんまりキレイにならないんじゃ・・
みたいな主張ばかりの話し合いになってしまいます。

おそらく日常の中だと自然と
客観的な情報を得て、対応を考える
というプロセスは出来てるんだと思います。
ただ、この本のテーマでもある"社会問題"
ともなると、意外と見落としてしまうのかもしれません。

"〇〇理論"に固執するリスク

マーケティングや経済の分野で、よく
〇〇理論というのがありますよね。
僕の仕事であるコメディカルの分野でも
理論がたくさんあります。

そもそも理論ってなんだ・・
ってなるわけですが

この本では

一定の条件のもとで、ある行動仮説を前提として一定の結論を得るという構造を持っている

と述べています。
つまり・・
理論の通りに行動するとある程度結果が決まってくる!
と理解しました。

一方で
理論に傾倒しすぎるリスクを
福沢諭吉が明治7年に行った
欧米からの資本主義輸入を例に説明しています。
福沢は1つの理論に固執せず、
自由貿易と保護主義、それぞれの理論を合わせて合理的に判断したとあります。

つまり‥

理論は論理的に一貫しているけど、
その理論を使うのは人間である。
人間はそもそも複雑な生き物なのだから、
理論とかエビデンスに固執しすぎない事が大事!
当たり前だけど、忘れてしまう
そんな事を改めて気づかされました。

誰しも"情報"を見たいように見ちゃってる?

ネット上や周囲の人から様々な形で"情報"
にさらされていますよね。
しかし、その"情報"を実は正しく
見れてなくて
、ただ消費しているんじゃないか。
そんな話です。

例えば・・
暴力ゲームをすると暴力的になるのか
暴力的だから暴力ゲームをするのか。

この問いは、いくらビックデータを集めても結論はでません。

でも・・多くの方は
こんな問いがあった場合に
今まで出会ってきた人や経験なんかで
どちらかの答えを選択する
のではないでしょうか?

このように、ある問いに対して
「過度の単純化」についてのリスクを
ヒュームの推論やケインズの引用を用いて説明しています。

おわりに

一部ではありますが、読了後特に印象に残った個所をまとめて、感想を書いてみました!

この本を読んで、一番印象にあるのは
"考える"という視点です。
昨今、ニュースサイトやSNS上でも
匿名空間で本音を書きこまれる方も多くいます。
しかし、その本音の中には
数字等を含めた、誠実な意見ばかりではありません。

「身近な問題は専門家より、一般の方の意見が反映されやすい」
このような1文も本文中にあり、
人の意見に流されやすいのが現代の状況だと感じます。
だからこそ、物事を考える方法論、何かに固執するリスク、
といった情報の見方を学ぶ必要があると感じます。

このような経緯があり、はじめにで書いた
僕なりの感想
「新しいネットリテラシーの本」
となりました。

長文、最後までお付き合い頂きありがとうございました!
また、感想の書き方を勉強して挑戦していこうと思います!
次回も是非読んでみて下さい!


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