見出し画像

デザインマンホールをめでる

本記事は、ニードスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar」の第4日目です。
nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar 2020

はじめまして!株式会社ニードでディレクターをやっているアズマです。
週末は日本全国各地にお出かけするのが趣味のひとつでして、今年は全然行けなかったなあーかなしみだなーと1年を振り返りつつ師走を過ごしております。

「僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいある」とくるりも歌ってましたが、わたしの旅に出る理由の1/100に「デザインマンホールめぐり」があります。
今日は今までに日本中で見てきたデザインマンホールをお見せしようと思います!

1.デザインマンホールって?

​そもそも「デザインマンホール」ってなんやねん?って話なのですが、道路にあるマンホールのうち、モチーフがパターン化されたものだったり、イラストになってたり、色がついてたりするものを「デザインマンホール」と呼んでいます。
ほんとはマンホールの蓋だったり、マンホールじゃないものの蓋だったりもありますが、まあなんとなーく道路に設置されていて、デザインされている蓋のことです。

ちなみに東京都ではおなじみのこのマンホールもデザインマンホールです。
とても美しくパターン化されていて、かつ、機能性もあり* 東京っぽく洗練されたデザインだなーと思います。
*マンホールの凸凹は滑り止めの意味もあるそうです。

画像1

2.デザインマンホールの歴史

最初にマンホールにデザインを施してみよう!と思ったおもしろい人はどこの人なのか気になるところですよね。
これは調べてみたところ、1978年に沖縄で作られた魚柄のマンホールが最初と言われています。

よく見ると魚が行進している。

スクリーンショット 2020-12-01 20.37.47

沖縄に行った時にかわいいマンホールがやたらとあるなーと思ったのも納得です。
壺屋やちむん通りの近辺にはカラフルなデザインマンホールがいっぱい埋まっている、めちゃばえ道もあるよ。

画像3

3.デザインマンホールからわかること

デザイン的にはぶっちゃけ関係ないけど、マンホールに書いてある記号の意味がわかるとどこかでうんちくが語れるかもしれません(どこで?)。

スクリーンショット 2020-12-01 20.44.07

さらにモチーフからこんなこともわかります。

スクリーンショット 2020-12-01 20.45.04

デザインマンホールを見るだけで
、その土地の特長が
一目瞭然!

全国にどんなデザインマンホールがあるかちょっと気になってきましたか?
みんなもっといろいろ見てみたいなーと思っているに違いないので、ここから怒涛のデザインマンホール写真を連発していこうと思います。

4.いろんなデザインマンホールを見てみよう

まずはその土地の木や花のデザイン

マンホールに描かれてる木・花・鳥はその土地のシンボルのものと思ってまず間違いないです。

画像6

画像7

(上)熊本県熊本市=肥後つばき
(下)静岡県裾野市=アシタカツツジ

特産品が描かれてるものもあります。

画像8

画像9

(上)山形県寒河江市=さくらんぼ
周りに市の花つつじのあわせ技
(下)長野県松本市=てまり
このてまりのマンホールは他の色もあってとても美しいです。(写真はいまいち)

続きまして動物マンホール。

画像10

釧路は日本3大夕日のひとつ「釧路の夕日」の中を3匹のタンチョウが飛ぶ美しいデザイン。

画像11

このかわいいひつじのものは大阪府泉大津市のマンホール。
なんで大阪がひつじ?と思ったら、泉大津は毛布製造が盛んな地域だそうで、それでひつじが描かれているんですねー。
気になったマンホールの図版のことを調べるとほんとにその土地の勉強になる。フィールドワーク。

漁港近くに行くと、さかなのマンホールもあります。

画像12

画像13

(上)静岡県焼津市
(下)千葉県銚子市
ニードのデザイナーチーム・釣りが大好きな蛯沢に聞いたところ、焼津は鰹、銚子は鰯だそうです。
焼津は静岡らしく富士山が、銚子はカモメと鰯がくるくるとダンスしているような図版がかわいい!

ただ、わたしが歩いた感じ、海の近くにはあんまりマンホールがないんですよね。
海の近くなので雨水の整備とかしなくても良いからかなーとか予想してみる。

おまつりもよくあるモチーフです。

青森県青森市といえば、ねぶた!もちろん武者絵が描かれているマンホールもあります。

画像14

茨城県石岡市は関東三大祭のひとつに数えられる「常陸國總社宮例大祭(ひたちのくにそうじゃぐうれいたいさい)」の幌獅子が描かれています。
めちゃめちゃ大きそうなおまつり!
それにしても各地にいろんな「三大」なんちゃらがあるなあ。

画像15

はい!タイムリー?なやついきます。

万博やオリンピックなど歴史的なイベントを記念したマンホールも作られます。

日本万国博覧会が開かれた万博公園のマンホールにはもちろん太陽の塔が真ん中にいますね。周りには吹田市の花・さつきと、たぶん市民の木・くすのきがあしらわれています。

画像16

続いて長野市は1998長野オリンピックが開かれた土地。

画像17

冬季オリンピックらしく白がベースで、少し錆びているところもいい味が出ています。鋳物のマンホールよきーーーー。

最後はTOKYO 2020。来年開かれるかもしれない東京オリンピックのマンホールです。

画像18

最近、このアクリルっぽいカバーのデザインマンホール、よく見かけます。
グラデーションのように細かい色の違いを出したり、何色も使う必要がある時はこのタイプだとキレイに作れますね。
ただ、このタイプは時間が経ってもただ汚れるだけで、長野オリンピックのマンホールのように、ちょっと錆びてきたり、周りに草が生えてきたりと趣のある経年劣化がないのでつまらないなーと個人的には思います。

歴史的にもっとさかのぼって
おとぎ話のゆかりの地にももちろんあります。

画像19

静岡県小山市は金太郎 生誕の地だそうです。
え?金太郎って想像上の人物じゃないんだ・・・(怒られます)

画像20

たいして、岡山といえば桃太郎。
桃太郎も消火活動に参加してくれています。
全国各地、消火栓のマンホールはわりとかわいいのが多いですが、消火栓マンホールの担当デザイナーが敏腕なのでしょうか?

さいきんはご当地キャラのデザインマンホールも増えてきました。

その中から2つ、かわいいやつをどうぞ〜!
静岡県裾野市のキャラクター「すそのん」と、茨城県水戸市の「みとちゃん」です。

画像21

画像22

このように、マンホールはその土地を表していて、裏返してみるとその土地に行かないと見られないものであるため、観光資源として使われることも増えてきています。
今度はちょっとお仕事っぽい切り口で、デザインマンホール界隈を観察してみます。

【その1】
広島カープのマンホール

本拠地のズムスタ近辺にカープ坊やのマンホールがたくさん設置されていますが、優勝した年は記念マンホールをひとつだけ設置します。
それともうひとつ。
実はズムスタの下は巨大な雨水貯留施設になっていて、この施設のアピールにもカープ坊やのデザインマンホールは一役かっています。

スクリーンショット 2020-12-01 21.35.05

【例 その2】
静岡県沼津市 「ラブライブ!サンシャイン!!」の
オリジナルカラーマンホール

「ラブライブ!サンシャイン!!」の舞台、浦の星女学院がある(という設定)の沼津。仲見世商店街の3箇所は、約4カ月に1回違うキャラクターに切り替わるので、全部のキャラクターを見るには1年に3回訪れる必要があり、何度も足を運んでもらう施策としても機能しています。Aqoursのファンは1年3回と言わず、もっと足繁く通ってそうですね。

スクリーンショット 2020-12-01 21.37.45

この上の段 右側の全員いるマンホール、エモくてよいなあー。

5. わたしの好きなデザインマンホール ベスト3

長くなっちゃいましたが、最後にわたしの好きなデザインマンホールベスト3をお見せしておわりにします。

<第3位> 静岡県富士市 富士山とかぐや姫の消火栓

画像25

わたしが一番最初に現地に行って見てみたい!と思ったマンホールです。

富士市比奈(ひな)地区には『竹取物語』の主人公、「かぐや姫が生まれた」という伝説の竹やぶが残っています。
オーストラリア人の写真家レモ・カメロタの写真集『DRAINSPOTTING:JAPANESE MANHOLE COVERS』の表紙も飾った美しい図柄のマンホールです。

<第2位> 沖縄県糸満市 真壁、米須、大渡、摩文仁地域の農業集落排水の汚水マンホール

画像26

このマンホールが設置されている糸満市は沖縄戦の終焉の地で、中央には平和の灯火と平和の鐘、糸満のシンボル風力発電の風車、サトウキビ、サーファーで賑わう大渡海岸、産卵に来るウミガメなどがデザインされています。
こんなにかわいいのにかなりシリアスですね。

これは場所をあんまり調べないで行ったので、かなり探し回った思い出。誰かが撮った1枚の写真と、だいたいの住所を頼りにマンホールを探しに行くのも楽しみのひとつです。

<第1位> 北海道剣淵町 絵本の館

画像27

剣淵町にある絵本の館をモチーフにしたマンホールです。
アルパカ、かわいいよ、アルパカ。

ここまでのマンホール写真はすべて自分が現地で撮影したものですが、この写真だけは現地に行ったことがありません。
では、なぜ撮影できたのかというと、剣淵町の姉妹都市である富山県射水市にマンホールを見に行った時に並んで設置されていたのをたまたま発見したのでした。

いつか行ってみたいな、剣淵町。
旅行に行けるようになったら行きたいな。

路上の美術館と呼ばれる「デザインマンホール」の楽しさや美しさが少しはお伝えできていればうれしいです!
みなさんのお住いの地域にもかわいいデザインマンホールが存在しているかもしれません。

画像28

いつもこんな感じで撮影しているよ

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?