見出し画像

最終日

 通っていたデイケアの最後の日。雰囲気が合わないので、別のデイケアへ変わることにしました。スタッフは皆いい方でしが、そこへ通うのに疲れてしまいました。
 そのデイケアでは、どうしても周りと馴染めませんでした。無理して行った日に、スタッフから「体調は大丈夫ですか。」と聞かれてその場にいるのが辛いと正直に伝えました。合わないと判断したら、さっと次へ行くのが大人、スタッフの方に愚痴るのは違う、と思いましたが仕方ありません。

 新しいデイケアへ連絡後に見学し、お世話になることにしました。実はそのデイケアは以前通ったことがあり、それがひっかかっていました。もう当時のスタッフのメンバーは残っておらず、昔通っていたと言うと「そうですか。」と少し驚かれました。静かな雰囲気でなんとか通えそうだと安心しました。

 二週間くらいして、前のデイケアのスタッフから、しばらく来ないからどうしているか、と連絡があり、新しいデイケアに通っていること、○日に行くつもりだ、と答えました。
 
 前のデイケアに行く最後の日、よく眠れなかったけど起床。電車に乗ったらぼんやりして乗り過ごし、遅れると連絡。新しいデイケアの駅まで乗っていました。あまりに眠いのでコーヒーを買いました。

 デイケアではプログラムに参加。和やかに談笑する他の人達を見て羨ましかったです。プログラムが終わると電話をかけてきたスタッフが、さりげなく「新しいデイケアに通うなら、二カ所は通えないので今日が最後です。」と言いに来ました。自分が考えていたよりあっさりしている、電話で新しいデイケアに行くことを伝え、今日は来なくてもよかったと思いました。

 家を出る前に自分が描いたイラストの絵ハガキを封筒に入れました。親身になってくれたスタッフの方に渡そうと思いついたからです。ロッカーの荷物からそれを取り出してさっと手渡しました。
「手紙ですか?嬉しい。」と笑顔で言われて、「違います。自分で描いた絵です。こういうのだめなのかしら?(私的に何か渡すこと)」と相手の喜びように戸惑いました。「いろいろ親身になってくれて嬉しかったから。スタッフの方は皆いい方でしたけど。」「雰囲気が合わなかったんですよね。」長く話していると少し泣きそうになったのでそれで会話を終えました。
 
 帰る前の受付を終えて廊下にでると、その人が来ました。私と話せて楽しかったこと、とくに好きな本について話せてよかったと言われました。ブレイディみかこの本についてや「ワンダーを知ってますか?」と聞かれたこと、初めて面談したとき私がビッグイシューを読んでいたら、その人もよく買う、と教えてくれたことなど。いろいろ話したかったけど、失礼にも話を聞きながら下駄箱から靴を取り出し簡単な挨拶をしてその場から離れました。最後だから、もう少し話せばよかったです。他人と親しく話すことにもっと慣れたい。

 その時、偶然よく話したデイケアの利用者の方が来たので、言うつもりはなかったけど、今日でここに来るのは最後で、近所のデイケアに変わると伝えました。「いい友達ができたと思った。」「私は対人恐怖なのでうまく話せなくて悪かったと思う。」「そんなことはないよ。」ほっとしました。うまくかかわれないために、避けられることがよくあったから。
 その人と洋服や髪型の話をするのが楽しくて、少し話せるとほっとしました。その人は私に気がつくと、いつも声をかけてくれました。私は親しくなっても、他人との距離感がうまくとれず次に会うときにどう話せばいいのかよく分からず疲れてしまうのに、そのデイケアで、唯一話せる人でした。

 電車に乗ってから、会計を忘れていたのに気付いて、慌てて戻りました。クリニックの会計受付には誰もいなくて、私がまた来たことはバレずにすみました。

#鬱  #デイケア #リハビリ #日記

 


この記事が参加している募集

#404美術館

31,924件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?