米国の消費者物価指数(CPI)とは?
アメリカの経済指標の中で、インフレ指標として使われている消費者物価指数(CPI)についてまとめ
・消費者物価指数(CPI)
Q.どんな指数?
→人々の日常の買い物リストに入っているもの、定期的に支払うほとんどの価格(食費、医療費、理髪、税等々)の平均的な変動を測定したもので、最も広く利用されているインフレ指標
なおCPIの中で変動が激しい食品とエネルギーの価格を除いたものは『コアCPI』と呼ばれている
Q.この指数の利点は?
国内外の商品価格の変動だけではなく、サービス産業の価格変動までも組み込んでいる
Q.この指数の問題点は?
金融市場への影響・反応が今ひとつということと、インフレに対する一般市民の実感からかけ離れてしまう事がある
Q.発表時期は?
翌月15日前後
Q.最近のCPIは?
一般的に今月のCPIは?といわれた時には、前年比でどうなのかを見る
例えば、直近10月のCPIは7.7%だったということ
11月のCPIは、12月13日に発表される
※FRBは長期でのインフレ率は、大体2%前後をターゲットとしている
消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)を重ねてみるとこんな感じ↓
生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)より先行することもあるので、PPIが急こう配で低下
Q.CPIからどういったサインを読み取り、投資に活用する?
軟化期へと移行し始めているサイン
消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の各12ヶ月の移動平均が上昇する一方で、各3ヶ月移動平均が安定し、商品価格が下落し始めたらディスインフレ到来を予見兆候
※ディスインフレとは、インフレーションからは抜けたが、デフレーションになっていない状態のこと
→株式投資は控えめに、状況を見極め徐々に入っていく下降期に入ったサイン
消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の各3ヶ月移動平均が急落して、各12ヶ月移動平均が横ばい又は下落傾向を示し始めたらディスインフレの始まり
→最初は慎重に、徐々に積極的に株式投資をする回復期のサイン
消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)が継続的に急こう配で低下して、様々な商品価格指数の3ヶ月移動平均が12ヶ月移動平均より急こう配で低下する場合は、ディスインフレが長引いている兆候
→金などの実物投資は控え、株式投資にシフトする上昇期始まりのサイン
消費者物価指数(CPI)を12ヶ月で見た時に大きな変動がない場合でも、3ヶ月の移動平均が上昇し始め、商品価格の上昇も始まると、インフレ圧力が高まっていることを示すもっと早期の警告サインとなる
→株式投資にとっては様子を見ながら前向きな姿勢成熟期に入ったサイン
消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の各3ヶ月と12ヶ月の移動平均がすべて上昇していれば強いインフレの真っ最中だというサイン
→ほとんどの株式投資にとっては消極的なスタンス
Q.CPIから見た今(2022年11月時点)
下記グラフは、2022年の消費者物価指数の3ヶ月平均と12ヶ月平均をグラフにしたもの
・青ラインの12ヶ月平均は右肩上がりで上昇
・オレンジラインの3ヶ月平均は8月あたりから横ばい
このCPIのグラフからのサインを読み取って上記のどの段階かを照らし合わせてみると、
「消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の各12ヶ月の移動平均が上昇する一方で、各3ヶ月移動平均が安定し、商品価格が下落し始めたらディスインフレ到来を予見兆候」
※ディスインフレとは、インフレーションからは抜けたが、デフレーションになっていない状態のこと
→軟化期へと移行し始めているサイン
あたりではないかと考えられる
しかし、現在発表されているCPIは前月10月の指数なので、先月10月あたりには軟化期に移行したのではないか?と考えることもできるが、それはあくまでもCPIだけで見た時のことなので、あくまでも目安程度