見出し画像

まま、にこにこがいい

言葉を操れるようになってきた息子が言った。
「ママ、にこにこがいいの。」

胸に突き刺さる。


寛容な気持ちと、優しいまなざしをもって
息子を見ていたい。
私の理想だ。
しかし、何度もその理想は、くじかれる。


大人が予想しない遊びをして、壁が、床が、窓ガラスが、いろんな色に染まっていく。
味噌汁が、毎日、床にこぼされる。
手に届かないと思ったハサミが、いつの間にか手の中にある。
鍋やフライパンに、おもちゃが入っていることもある。

それらを見て、
笑顔でいられる時とそうでない時。
息子は、親の表情をよく見ている。
自分がやったことを、親はどう受け止めているのか。
言葉ではなく、表情と声のトーンで、理解しているようだ。

怒った顔で、大きな声で何かを言われている。
息子は、その時
「ママ、にこにこしてほしいの。」
と、私に言った。

「ごめん。怒る必要なかったね。」
本当に反省だ。
息子よ。母が悪かった。


怒りは、相手をコントロールし、支配する手段だと、
私は理解している。
「嫌われる勇気」(岸見一郎著)で、
喫茶店で、店員に誤ってコーヒーをこぼされ、
怒りのあまり、つい大きな声を出してしまった客の話がでてくる。
アドラー心理学では、
大きな声を出すために、怒った、と理解する。
怒りは利用されていると。

つい、怒った顔で注意をしてしまう。
私がこれまで、当たり前のようにされてきたように。
でも、怒る顔も、大きな声も、
小さな息子には必要ない。
ゆっくりと、分かる言葉で
伝えるだけでいいのに。

にこにこ、笑っていられるようにと
息子に願っている親が、
にこにこ笑ってない。

息子よ。
私たち夫婦を親にしてくれて、ありがとう。
日々、たくさんの学び種を与えてくれる。
あなたと同じで、毎日、親として成長しています。




この記事が参加している募集

#子どもに教えられたこと

33,066件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?