「朝の逆転。」/毎週ショートショートnote

その真実を知るものは皆無だ。


人間と言われている生物の歴史を遡ると。
今の時間の活動形態ではない。
簡単に言えば夜と朝が逆転していたわけである。

それを朝人間と夜人間という仮称でよぶ。
人間の始まりは夜人間である。

人間の身体の構造がまるで違う。
日が暮れたころ起きだすと食料となるものを探す。
寝ている動物たちは簡単に捕まえることができた。
夜人間は暗い方が視力や聴力が良かったと思われる。

太陽光が容赦ない昼間は今でいう熱射病にかかりやすい
身体の構造ゆえに。
昼間は、洞窟などの日の当たらないところで睡眠をとる。

ところが。
進化の途中で。
身体の構造が異なる人間つまり朝人間が生まれた。

そして。
その時代に大流行した感染症は夜人間のみにダメージを及ぼして。
朝人間は夜人間にとってかわった。

私はこの驚愕の真実を世界に発表することにした。

だが。
研究者は発表しようとした矢先に感染症にかかって亡くなった。

最期の言葉は「朝の逆転が。」だった。



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