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穏やかで淋しい朝を味わう。

いつも利用しているクリーニング店の奥さんとにこやかに話をしていた。

「もうすぐ、近くに住居を移すんです。」その場所が頭に浮かぶ。「1年ぐらいの仮住まいですけど。その間に子供たちが独立しますから。」奥さんは手を動かしながら話してくれた。

このクリーニング店とは付き合いが長く、今さら他のお店を探すのは大変だと思った私は「お店は、続けますよね。」と聞いた。今、こういう状況ではお店の経営が大変なんだろうか。

「わかりませんね。1年後は帰るかもしれません。」「故郷へ。」

それを聞いて「故郷」が、頭の中で何故か「みなもと」という言葉になって胸の辺りでくるくるしていた。

ああ、淋しいなと思った。あくまでも、お店とその利用者という付き合いだからこそ、そのお店がなくなるのは、ちょっと悲しい。みんな最後には還っていく。わかっている。


こんな夢を見ていた今朝は、穏やかに目覚めて、しばらく淋しいという感触を味わってみた。





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