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マインドフルネス度合いの尺度(MAAS)

今週で、ヤフーのメタ認知トレーニング7週間プログラム14期目を終了しました。これまで、脳活動、プレゼンティーズム、Emotional Intelligenceなど、さまざまな切り口で効果測定を行ってきましたが、前回、今回で取り組んだのは、MAASです。


Mindful Attention Awareness Scale

MAASは、2003年にBrown & Ryanにより開発されたもので、気づきと注意の程度に注目されて開発された、マインドフルネスを測定する尺度です。

日本語版MAASは、京都大学の藤野先生らが開発され、詳しくは、こちら論文を正座して読んでいただきたいですが、マインドフルネス実践による気づきや注意力がどれくらいの度合いで高まった言えるか、ずばり、マインドフルネス度をアセスメントできるものです。

度合いが高まればgood、高まっていないとbadですと、評価判断に陥ってしまいますが、どれくらいの水準に達しているか、あくまで目安として活用するといいかもしれないです。

MAASは15問の設問と6段階評価で構成されています。

設問
1. その時の感情に後から気づくことがある
2. 不注意や考え事が原因でモノを壊したりこぼしたりする
3. 今起きていることに集中することが難しいと感じる
4. 歩いて目的地に向かう際、道中の体験に注意を払わずにさっさと向かう
5. 身体的な緊張や不快感が明確になるまで、なかなかそれに気づかないことがある
6. 初めて聞く人の名前を忘れがちである
7. 自分のしていることをあまり意識しないまま、自動的に何かをしているような気がする
8. 十分な注意を払わずに、急いで行動してしまう
9. 達成したい目標のことばかりを意識してしまい、今していることに意識が向かなくなる
10. 自分のしていることを意識しないまま、機械的に仕事や課題を行っている気がする
11. 人の話を聞きながら、気づいたら何か他のことをしていることがある
12. 無意識のうちにどこかに向かっていて、あとから考えるとどうやってそこにたどり着いたか思い出せないことがある
13. 気がつくと将来や過去のことで頭がいっぱいになっている
14. 気がつくと注意を払わずに物事に取り組んでいることがある
15. 無意識のうちに間食をしていることがある
6段階評価
1: ほとんど常にある
2: とても頻繁にある
3: やや頻繁にある
4: あまりない
5: めったにない
6: ほとんど全くない


ヤフーでは、2つの観点にて効果検証し、母数は少ないですが、ある程度の傾向を見出すことができました。今後は母数を増やして統計的に有意差が認められるかどうか、引き続き、検証したいです。


1:pre・post

preは、メタ認知トレーニングを開始する前。postは、7週間のトレーニング後。定性アンケートとともにMAASの質問票に回答していただきました。

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pre :3.16/13名の平均
post :3.81/同じ13名の平均

結果として0.65ポイントの差分がありました。当初は参加者18名ではじまったのですが、途中、業務都合や体調などで参加できなくなった方もいて、最後まで参加された13名のプレーポストで集計したものです。


2:参加者と実践者

参加者は、今回から初参加の方。実践者は、マインドフルネス・メッセンジャーズ。マインドフルネス・メッセンジャーズとは、メタ認知トレーニングをいっしょに運営しているチームメンバーの総称で、ご自身の実践を重ねる中で、社員向けの展開もやりたいという有志です。

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参加者:3.81/18名の平均
実践者:4.37/7名の平均

こちらも0.56ポイントの差分がありました。
もしかすると、実践者として、「ある程度、自分はできている」というバイアスが若干盛られて回答しているかもしれません。参加者が習慣的に実践を重ねることで、実践者の気づきや注意力の度合いまで高まりそうという水準が見通しが立つのは有効ではないでしょうか。

初心者と実践者の比較では、6段階評価中、1ポイント以上の開きがあり、「マインドフルネス実践を重ねることで、気づきや注意力の程度が高まると言えたらいいなー」と、個人的な想いがさらに高まり、これからもしっかりとお届けしてまいります。


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