恋愛の面白さ

私はなぜこれほどに恋愛というものが追究対象になるのだろうか。

恋愛は、時に人を狂わせる。理性の崩壊するところに生まれ、だがそれがあたかも正義かのように語る人がなんとも面白いのではないか。
恋愛は人生を豊かにするとか、自分を成長させるとか、楽しいとかいう人もいれば、
めんどくさい、他人に時間を費やす余裕などない、という人もいる。
好きという感情など誰も定義などできやしないくせに、恋愛と友情を分けることができてしまう。

恋愛は、究極的なコミュニケーションであり、他者との共存の最高点であるからではないか。違う人と人が出会い、その心を奪い、奪われ、一緒になったかのように錯覚する。しかし、いずれは、他者との違いに気付かされ、もう一緒にはなれないと悟る。その時に人は何を思い、どう行動し、どう乗り越えるのか、逃げるのか、捨てるのか。どこかにいるソウルメイトを探すのか。

家族が血と絆で繋がっており、友情が時間をかけて形成されるのに対して、恋愛は高速で他者と関わりにいく関係性だからではないだろうか。ついこの間会ったばかりの人なのに、自分の身も心も預けられてしまうほどの関係性になり、そんな他者と心が繋がっているような感覚に、中毒性と盲目性のあるドラッグなどと同様の性質がある。それは、多大な幸福をもたらす。だがしかし、同時に、束縛、嫉妬感情など、他者の人生とは言えないほど親密な近さを持つがゆえの、手錠がかけられる。

離れてしまうかもしれない、愛されていないかもしれない、裏切られるかもしれない、そんなことへの不安に人はどう対処するのか。

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