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【感想】★★★★「十角館の殺人」綾辻行人

評価 ★★★★

内容紹介


綾辻行人のデビュー作。
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作。

感想

以前に謎の多重殺人事件のあった角島にある十角形の奇妙な館「十角館」に大学ミステリーサークルの7人が合宿に訪れ、物語がスタート。
合宿に行かなかった2人の大学生側と島にいる学生との2元中継で展開していく。
この2元中継により、全く飽きることなく読み進められる。展開もスムーズであっと言う間に読破できるが、犯人の動機がありきたりで弱く、伏線回収時の内容もサプライズはあまりない。
章始めの冒頭は主語が無く、誰目線で話が展開しているかと想像を掻き立てる手法はとても良い。
ミステリー小説の本書は名作としての評判も高く、実際にそれに違わぬ面白さ。
犯人の判明は突然起こる。たったの1行だけで犯人を知らしめるのは素晴らしい。ミステリー研のメンバーは海外のミステリー作家からニックネームを付けるが、これがポイントとなり巧妙に謎が明かされる。
ただ、以前に角島で起きた殺人事件と十角館の殺人に関連性は薄く、ラストの尻すぼみ感は残念。
それでもミステリー好きは、一読の価値は十分にある。


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