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#22 ベトナムの旅×ネイルアート|旅ネイルができるまで


■このマガジンについて


ベトナムホーチミン市にネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。

全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■「旅ネイル」を作る


■■旅ネイルとは■■
ベトナム各地のモチーフをデザインしネイルアートにしたもの。

私は、ベトナムに恋をして北から南まで旅をし、旅写真を撮りまくってきた。でも、それらの写真を見ると、私が写っている写真は数えるほどしかなかった。それは、私がフォトグラファーであることの宿命なんだけれど......「自分がそこに居た記録をどうにか写真に残せないか」とずっと思ってきた。そしてある日「自分の手や足なら、写真にも映せるのでは!?」「ネイルにベトナム各地をモチーフにしたネイルアートをしたら、旅中ずっと気分がアガるのでは!?」
そう思い立ち、ベトナム各地をモチーフにした「旅ネイル」ができるお店を作るために動きだした。

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ベトナムの国土は南北に長く、都市ごとに特徴がある国だ。

(北部)
サパ:いくつもの少数民族が暮らしていて、様々な衣装が素敵。
ハノイ:ベトナム首都。伝統陶器の「バッチャン焼き」を作る村がある。

(中部)
ニャチャン・ダナン:海沿いの都市で、海が美しくヤシの木が生い茂る。
リゾート地として人気。

(南部)
ホーチミン:ベトナム最大の商業都市。
フランス統治時代のコロニアル建築物や街並みが美しい。

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サパ・ハノイ・ニャチャン・ダナン・ホイアン・フエ・ダラット・ホーチミン・ブンタウ・フーコック島。
ベトナムの北から南まで訪れて撮った写真は10,000枚を超える。

私がベトナム各地を旅しながら写真を撮り、見て、体感してきた各地の特徴を、ネイルデザインにしたのが「旅ネイル」だ。


ベトナムホーチミン市は、出張に行く度に景色が変わる。
それは、新しい店ができては潰れて、また新しい店ができるから。

そんな新陳代謝の激しいベトナムホーチミン市で、Kawaii Nail& Eyelashが生き残れたのは、私が「旅」をコンセプトにしたネイルアートを作ったからだろう。

■■お店をつくるまでの流れ■■
2012年
 初のベトナム観光旅行に行きベトナムにハマる
↓ 半年に1回のペースでベトナム各地を旅する。
2014年 知人に頼み込んでベトナム人のNgocさんを紹介してもらう 
↓ Ngocさんとベトナムで手芸のレッスン開始。
2015年 ゴックさんと一緒にビジネスをいつかしようと約束
↓ ネイルサロンを作ろうと決め、ベトナム人と一緒に必死に形にする。
2016年 Kawaii Nail& Eyelashオープン
オリジナルデザインの「旅ネイル」がガイドブックや旅行代理店から紹介され、人気のネイルサービスになる。




■旅ネイルができるまで


■■ベトナム語モチーフの旅ネイル■■

自分の頭の中にあるイメージを絵で描くのが一番だと、最初は絵でデザインを作っていた。

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見ての通り、私は絵がめちゃくちゃ下手。
このつたないデザイン画を元にネイルデザインに落とし込んでくれたのは、ネイリストのLinhさん(リン)

私は「ホーチミンでネイルサロンを作りたい」と決めた翌週ベトナムに飛んだ。
そして、最初に行った面接に来た女性がリンさんだった。



彼女を面接し、課題として描いてもらった「バッチャン焼き」をモチーフにしたネイルデザインをひと目で気に入った私は、お店の物件も決まる前から二人三脚で「旅ネイル」デザインを作ってきた。

リンさんは私の頭の中にある「旅ネイルデザイン」を形にしてくれる。
私にとって一番のパートナーだ。

「旅ネイル」を作り私が感じたベトナム人ネイリストの特徴
・全体的に手書きアートは得意。できるまで練習する根気もある。
・ベトナムでは、繊細な絵を描けるネイリストが熟練の証。
・日本で流行している大理石ネイルやニュアンスネイルは苦手。
・ジェルで絵を描くより、細筆のポリッシュで描く方を好む。
(日本ではこの細筆ポリッシュを売っているのを見かけたことが無い)


ベトナム語をモチーフにした旅ネイル↓

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試作を作った後、色やパーツ、デザインの変更を加えたりしながら作っていく。


■■ハノイの伝統陶器「バッチャン焼き」をモチーフにした旅ネイル■■

ベトナムのお土産としても人気のバッチャン焼き。
「旅ネイル」の主力デザインだ。

バッチャン焼きとは
ベトナムの伝統的な陶器の事。ハノイのバッチャン村で作られている為「バッチャン焼き」と言われる。
身近にある自然を描いた素朴なデザインが多く、菊の花やトンボ・金魚・蓮の花などが描かれる。 それぞれの絵に意味があり、トンボは幸運・蓮の花は純粋・菊の花は金運と言われており、縁起も担いでいる。

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このネイルアート、たまに「シールですか?」と質問いただくことがあるが

「いいえ、全部手書きです」

ここまで描けるネイリストはいくら手先が器用だといわれるベトナム人でも少ない。
描けるようになるまでKawaiiNail&Eyelashのスタッフは空いた時間にずっと練習している。

バッチャン焼きネイルアートが描けるのはそんな彼女たちの練習の賜物だ。

「バッチャン焼き柄ネイル」がとても人気になり、花のモチーフをKawaiiNail風に色やデザインをアレンジして旅ネイルデザインは増えていった。

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■■サパに暮らす民族衣装モチーフの旅ネイル■■

旅ネイルの「バッチャン焼き」シリーズは主力デザインで一番人気だ。

しかし、サパに暮らす民族の衣装をモチーフにデザインしたネイルも個人的にとても気に入っているし、作りたかった。

サパデザインは現地に行き撮影した「花モン族」の民族衣装を元に形にしている。

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イメージに近いネイルのデザインをPinterestで探し、私が撮影してきた花モン族のモチーフを添付し参考のイメージを作っていった。

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Pinterestとは(ピンタレスト)
画像を軸に情報を探せるSNS。Webサイト、あるいはPinterest上にある画像を自分のアカウントで作成したボードに集める(画像収集)でき、イメージをまとめたり整理できる。私にとって、ネイリストとのデザイン共有や、新作デザインを作る時にめちゃくちゃ役立つツール。


サパに住む花モン族の衣装をモチーフにした旅ネイル↓

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花モン族が頭に被っているバンダナをモチーフにした旅ネイル↓

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■■観光名所を旅ネイルにアレンジ■■

19 世紀に建てられた、コロニアル建築の代表と言っても過言ではない美しさのサイゴン中央郵便局。

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大きなアーチ型の天井と、緑のラインを生かしたデザインに仕上げた。

サイゴン郵便局をモチーフにした旅ネイル↓

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また、ネオロマネスクという建築様式で作られているタンディン教会。
世界で最も人気のあるピンク色観光地10選にも選ばれている。

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丸い半円アーチや壁面の帯状の層が素敵で、パステルピンクの外装が可愛らしく、「タンディン教会の旅ネイルと一緒に撮影したいなー」と思い作ったデザイン。

タンディン教会をモチーフにした旅ネイル↓

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私が提案した「旅ネイルの楽しみ方」通りにお客様がinstagramに投稿されている写真を見るとやはり嬉しい気持ちになる。


「旅ネイル」はネイル体験を通して、ベトナム各地をより楽しんでもらうための装置。

旅の間中、ネイルを見る度に気分が上がって、ワクワクしてほしい。

そして、ネイルをしている時間も、ベトナム人ネイリストと交流する体験を味わってほしい。

そんな想いから生まれた形になったのが私が作った「旅ネイル」だ。

0から1を作るのは簡単ではなかったけれど、今思うと楽しさとワクワクの方が勝っていてあっという間に仕上がっていた。

また、あの時のワクワク感じるような事をしたいなー。






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