#41 不安定な中で安定する
■このマガジンについて
ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
フリーフォトグラファーとして日本で気ままにやってきた私が、ベトナムで1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。
■完成した私のお店
ベトナムホーチミン市、42Nguyen Hue(グエン・フエ)アパート。
ここはサクセスストーリーが生まれる場所と言われている。
ベトナム政府によって近々アパートが取り壊しになる計画が出ている。 それをを知りながら、私はここでネイルサロンを作ることに決めた。
2016年8月13日。
私のお店、KawaiiNail&Eyelashは誕生した。
元々住居だったこの部屋(というか、このアパートは住居専用の建物)
(家主)赤ちゃんが生まれたので、もっと広くて静かな場所に引越したいと準備していた新婚夫婦。
(私)このアパートに惚れて、ここで絶対お店をつくりたいと空き部屋を探し回っていた私。
この2組のタイミングがばっちり合い、貸してもらえることになった。
それから私は「旅ネイル」が楽しめる、ベトナムリゾートをイメージしたネイルサロンを作るために奔走した。
■■旅ネイルとは■■
ベトナム各地のモチーフをデザインしネイルアートにしたもの。
私は、ベトナムに恋をして北から南まで旅をし、旅写真を撮りまくってきた。でも、それらの写真を見ると、私が写っている写真は数えるほどしかなかった。それは、私がフォトグラファーであることの宿命なんだけれど......「自分がそこに居た記録をどうにか写真に残せないか」とずっと思ってきた。そしてある日「自分の手や足なら、写真にも映せるのでは!?」「ネイルにベトナム各地をモチーフにしたネイルアートをしたら、旅中ずっと気分がアガるのでは!?」
そう思い立ち、ベトナム各地をモチーフにした「旅ネイル」ができるお店を作るために動きだした。
私は「旅ネイル」のコンセプトを考え、ベトナムにネイルサロンを作ろうと思い立った翌週にベトナムへ飛んでいた。
日本で写真の仕事をしつつ、ベトナムへは短期出張のみ。
(工事の時は約1ヶ月現地に滞在したけど、それ以外は1週間程度の出張だけ)
ほぼ遠隔で10ヶ月の開業準備を進めた。
こうして、いろんな挑戦とあらゆる失敗を経験し、出来上がったのがKawaiiNail&Eyalashだ。
私がベトナムと縁をもつようになったのは2012年から。
4年後の2016年にはホーチミン市にお店を作ることになろうとは......
夢にも思わなかった。
■■私のベトナムヒストリ■■
2012年 初のベトナム観光旅行。ベトナムにハマる。
↓ 半年に1回のペースでベトナム各地を旅して写真を撮りまくる。
2014年 知人に頼み込んでベトナム人女性(ゴック)を紹介してもらう。
↓ゴックさんと共通の趣味で仲良くなり、ホーチミンで手芸のレッスン開始
2015年 ゴックさんといつか一緒にビジネスをしようと約束。
↓ネイルサロンを作りたいと思い立つ。
2016年8月 KawaiiNail&Eyelash誕生!
↓日本で写真の仕事をしながら遠隔経営開始。
2021年8月 KawaiiNail&Eyelash5周年(今ココらへん)
■不安定な中で安定する
2022年現在、日本にいながら遠隔経営7年目を迎えた。
異国へ挑戦し、ボコボコに殴られ強くなってきた私。
今では、多少の失敗や不安はなんとも感じなくなった。
それが良いのかは知らんけど(笑)
まだサクセスしたとはとてもじゃないけど言えない。
でも今の私は、ベトナムにいようが、日本にいようが、あるいは全く別の国にいようが...
サバイブしながら生きていく覚悟と「それがおそらく出来るだろう」という根拠のない自身を持っている。
7年前の小さな挑戦をきっかけに
「もはや世界がどうなっても生きていけるし、楽しみは自分で生み出す」
そんな風に思える思考にたどり着いた。
■ベトナムサバイブ 総まとめ
軽い気持ちで行ったベトナム旅行が10年前。
2014年にゴックさんと出会ったことで、私のベトナム進出は動き出していたんだなと改めて感じる。
ゴックさんと出会っていなければ、お店はもちろん、今も私をサポートしてくれるベトナム人たちと出会うことも無かっただろう。
2015年から動き出したベトナム進出。
「あれから、色々やってきたな......」と思う。
■■開業資金、融資について1から経験する■■
ネイルサロンを作ろうと決めたものの、サービス業の経験は学生時代のアルバイト程度。
ネイルサロンどころか、サービス業そのものの知識、さらには事業資金も無い状態からのスタートだった。
まさに無いものだらけ。戦える武器も0だった。
■■現地調査に行き自分の足で情報を得る■■
しかし気力だけはあった私。
毎月ベトナムへ向かい、現地調査をたくさん行い、研究していった。
■■苦戦した賃貸物件探し■■
自分が「ここでお店をつくりたい」と思うテナント物件に出会えるまではとても辛かった。
なぜなら、物件は半年かけても「これ!」と行ったものが見つからなかったからだ。
不動産屋の紹介で見てきた物件は20を越えていた。
その間、家主の家に挨拶に行くほど気に入ったのに諦めた事もあったし、
契約までしたのに、4日後に解約したことだってある。
まさに「3歩進んで2歩下がるとはこの事か!」と体感した。
■■ベトナム人仲間が増え、たくさんのことを学ぶ■■
「最初は大概うまく行かない」そう分かっていても、自分の想像通りに行かない物事に対し、受けるダメージは大きかった。
そんな中、ゴックさんから紹介してもらった、Tang(タン)くんという心強いベトナム人サポーターができたおかげで、失敗もポジティブに受け入れることが出来るようになっていった。
■■ネイルは0から学び、アイディアを形にした■■
私は広告のフォトグラファー。
ネイルについての知識は0だった為、お店を作る準備をしながらネイルを学び、ベトナム人スタッフと共に「旅ネイル」を完成させた。
■■自分で掴みに行くことを覚えた賃貸契約■■
ゴックさん、タンくんと共にネイルサロン開業準備を進めるも、前途多難なことばかり。
落ち込むことも多かったが、集中、没頭した日々を過ごしていた。
そして2人のおかげで「ここからスタートしたい」と思える物件に出会うことが出来た。
契約にはたくさんの問題があったが、私は前に進むと決めた。
■■工事で失敗そして、発見の数々■■
1ヶ月の工事予定は、色々な失敗の積み重ねで2ヶ月かかってしまう。
しかし、失敗から得たインプットは自分にとって大きな知識のストックと経験になった。
記憶に残る店舗工事での失敗
①最初、工事許可を取ってなかった
②大工が図面を読めないと知らず工事を進めていた
③ペンキの色チョイスをミスる
④便器の移設に失敗
⑤工事が原因で下の階のお店に水漏れさせてしまう
⑥モザイクタイルを貼る作業と仕上がりが残念になる
⑦フローリングを貼る業者との意思疎通がうまく行かず工事一時停止
ちょっとちょっと。。。
失敗経験が多すぎじゃね?
自分にびっくりだわ......
たくさんありすぎるので、私が一番オロオロしたエピソードを紹介しておきます。
■■ゴックさん、タンくん、そして3人のネイリスト達■■
全然うまく行かないベトナム進出。
そんな私が日本にいながらでも、遠隔でベトナムの開業準備をコツコツと進めることが出来たのは、彼らのサポートのおかげ。
もうね。感謝しか無いです。
私の失敗はこのマガジンにありのままに書いている。
もし今「なにかに挑戦したいな」と思っている方、「ベトナムに進出してみたいな」と思っている方にこのマガジンが少しでも力になれたら嬉しいな。
やっとネイルサロンオープンまでたどり着いたけれど...ネイルサロンを作るので精一杯だった私。
同じタイミングで借りた隣の部屋は、日本の商品や手芸レッスンが出来るお店にするのだが、全く仕上がっていない。
まだまだ失敗したことはいっぱいあるよ(え)
ってことでストーリーは、これからも続く...。
KawaiiNail&Eyelash sns (@kawaiisaigon)
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