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「おすすめのkintoneプラグインは?」への回答

先日、kintoneを紹介した同業界のアトツギの方が「kintoneを使い始めました」とお話しいただいて嬉しくなりました。
(勝手にkintone普及に貢献してること、サイボウズの方に届け!)

調子に乗ってユーザー先輩風を吹かせていたら「おすすめのkintoneプラグインは?」という質問を頂いた。一言で「これがいいよ!」とは言いづらいのでnoteにまとめてみようと思いました。

前置きが長いので、とりあえずプラグインだけ知りたいねん、という方は4.プラグインの紹介、から読んでください。

1.自社の状況(2024年)

どんなシステムも基本はツール。自社の課題解決に合ったものを選定するのが一番です。そのため、これを読む方の参考に自社状況を記載します。
ここを読んで「あ、うちと全然違うわ」と思った方はここで読むのやめて頂いた方が良いと思います。

当社は医療機器製造業です。
社員数は50名。PC、メールアドレスを持つ社員は35名です。
拠点が大阪、兵庫、東京にあります。
機器の設計・製造・販売・アフターサービスから、消耗品の検査・梱包業務、と小さいながらも幅広い業務を行っています。
お客様は全国の病院であり、北海道から沖縄まで訪問します。
ISO9001、ISO13485を取得しており、手順書や記録の管理に一定のルールがあります。

このように、拠点が複数あり出張が多いこと、製造業であり職制が複数あること、中小企業であること、文書管理の必要性があること等が、システムに影響する企業の特性かと思います。

2.kintoneの活用について

kintoneとは、は公式サイトを見て頂ければより詳しくわかると思います。最近では豊川悦司さんのCMをよく見ますし、導入社数は30,000社なので導入事例も豊富にあります。

当社はkintoneを2017年から利用しています。
最初は営業日報の管理、次にアフターサービスの記録…と業務や紙をちょっとづつkintoneに置き換え、現在は80以上のアプリが稼働しています。(千を超えるアプリを使っている会社さんもあるので、すごいわけじゃないです)下記、参考のnoteです。

そんなkintoneには、標準機能にはない機能を追加できる仕組みがあります。それがプラグインです。(ここでサムネイル画像を回収)

プラグインはkintoneのメーカーであるサイボウズさんではなく、他の会社が作ったものなので情報が多くあり、なにが良いのか実際には使ってみないとわからないです。
そこで最初の「おすすめのkintoneプラグインは?」という質問が出てきます。ここで、当社のプラグインを選ぶ基準から、実際に使ったプラグインでよく使うものを紹介させていただきます。

3.プラグインを選ぶ基準


当社の状況から、選ぶ基準は下記です。
①課題が解決できること
②アプリユーザーが使いやすいこと
③価格

①課題が解決できること

これは当たり前のことではありますが、改めて。
すべてのシステムに共通することで「基本機能で出来ることは基本機能で」はとても大事だと思います。基幹システムをカスタマイズしすぎて更新できない、というのはたまに聞きますよね。
kintoneも同じです。基本機能で出来ることは多いので、基本機能を駆使する方が絶対に良いです。
今まで通りの業務が実現できなければ、業務側を見直して基本機能で出来るようにする、ということをまずは考えてみるべきだと思います。
 ・基本機能で課題が解決できるか、めっちゃ考える。試す。
 ・業務側を見直す。
上記2つを実施したうえで解決できなかった時に、その課題を解決できるプラグインを考えます。

②アプリユーザーが使いやすいこと

当社はアプリ開発者はそれほど多くなく、僕と数名です。開発側が開発しやすいように、よりも実際のアプリを使用するユーザー(社員)が使いやすくなるようなアプリを選ぶことが多いです。
というのも、kintoneのアプリの標準機能は見た目や使用感が慣れないと「見づらい」「使いづらい」という評価が(当社の社員からは)ありました。
そのため、これらを改善できるようなプラグインは積極的に試してきました。また、見た目の変更のプラグインがなにか問題が起きても、業務自体は止まらないのでリスクも(どちらかといえば)低いです。

③価格

今の時代、「ITツール、SaaSのコストは投資だ、ケチケチするな!」と言われると思いますが、ケチな経営者にとっては無駄なお金は1円たりとも使いたくありません。特に毎年発生するSaaSの年額(月額)費用は、固定費になるので出来るなら回避したい…!(最初は安いと思ってても絶対いずれ値上げするし)
なので僕にとっては価格はとても大事です。
特にプラグインは無料と有料、有料の中でも「年額(月額)」と「買い切り」の2パターンがあります。
 有料の場合は、僕の場合はまずは「買い切り」を選択します。来年どうなるか分からない中小企業にとっては、毎年かかる固定費はできるだけ削減したいです!(二度目)
 この後のプラグインの紹介に出てきませんが、kintoneのユーザーの集まりに参加したら多くの方が「gusuku Customine」や「krewSheet」を使用されています。出来ることなら僕だってこれ使いたいです。絶対に便利になるから!使ったことなくても聞いてるだけでワクワクするから!でも、①②③の選定基準から、実際には使用していません。「うちの会社はCustomine使えます!」という会社さんは本当にここから下、読まなくてよいと思います。

 無料プラグインを使用することについて、僕はアプリの根本の構造に関わる部分(上記の選ぶ基準の①の部分)は有料プラグインを優先します。見た目の改善など、アプリをよりよくする(主に②)は無料プラグインもOKと考えています。無料はすべて悪、とかリスク高いと決めつけているわけではありません。しかしタダ乗りさせてもらっている以上、突然使えなくなったり有料に切り替わったとしても粛々と受け入れる覚悟が必要だと思いますし、突然使えなくなっても問題が起きないようなリスク管理をしていた方が良いと思っています。

4.プラグインの紹介

前置きが長くなりましたが、ここからがプラグインの紹介です。

ここに記載がないプラグインは、試したがあまり使っていない、かそもそも試していないかです。試していないのでわからないから書いていないだけですので、書いていないから悪いとかでは全くありません。
※この記事はそんなにkintoneのこと詳しくないユーザーが自分の知っている範囲だけを書いています。

①計算式プラグイン

rex0220さんの計算式プラグインは、僕にとって希望でした。
おそらく2019年から使用していますが、当時はkintoneの計算式では複雑な日数計算ができませんでした(今は分かりません)。
例えば経営指標として「クレーム発生から何日で解決できたか」という日数をステータスの変更に合わせて自動計算できるような仕組みを作りたい、と思った時に、解決してくれたのが計算式プラグインです。このプラグインがなければkintone活用は諦めていたかもしれません。
導入後はほとんどすべてのアプリに入れています。工数入力アプリで条件に合わせて自動計算したり、手形の支払日を計算して、ユーザーの入力量を減らしています。
rex0220さんは「こういうことはできますか?」という問い合わせにも真摯にご対応頂けますし、アップデートの頻度もとても高いです。
下記リンクには僕がしつこく質問している履歴が残っています。

試用期間も長く、買い切りで購入できるため選ぶ基準①②③すべてに適合したプラグインです。
rex0220さんは他にも「関連レコード集計プラグイン」「ルックアップコピー項目編集プラグイン」「タブ表示プラグイン」を使用しています。あると便利から、なかったら困るまで幅広いプラグインがあります。
試用してみてください。

②RepotoneU pro

実は「これっているの?」状態が長く続いた帳票プラグイン。いまではなくてはならないプラグインになりました。
kintone導入時は「データを紙で見たい」という要望が多く、それを出力するためにkintoneの弱い印刷機能を補完するために導入しました。
しかし、kintoneに慣れ、データをデータで見る文化が根付くと使用頻度も下がりました。
しかし、kintoneの利用がさらに増えたことで存在感が上がります。
「kintoneで図面管理ができないか」「お客様への押印済み報告書を提出できないか」というニーズがあり、それらを解決できるのがRepotoneU proです。
図面管理では、kintoneに図面PDFを保存し、ステータスを承認済みに変更した時点でファイル名に「承認済み」と追加し、さらにGoogleWorkspaceのGoogleドライブに保存する、ということが出来るようになりました。つまり「ファイル名変更」と「バックアップ保管」を同時にできるんです。
押印済み報告書についても、最初から押印済みのPDFをフォーマット登録することで承認した内容で、押印済みPDFを発行することが出来るようになりました。
こちらは買い切りではなく年額のプラグインです。

③カレンダーPlus

スケジュールの共有はホワイトボードで、の当社が共有カレンダーの仕組みを導入した時に追加したカレンダープラグインです。
買い切りであることから選択しました。
現在は会社方針(というか自分)によりGoogleカレンダーに変更したのですが、このプラグインのUIが良かったために「スケジュール管理はkintoneに戻してほしい」という社内からの要望が出ていて現在はそこに頭を悩ませています。

④一覧高速検索&絞り込みプラグイン

初めて使用したとき、衝撃を受けました。
kintoneの基本機能の弱い部分の一つが一覧での条件検索だと思っています。
キーワードを入力したらリアルタイムに一覧が変わっていく様は、kintoneではない別のシステム操作しているようでした。
一つのアプリに入れると「こっちのアプリにも入れて!」とユーザーから要望を頂くことが多いです。
これ無料で本当にいいの?と思っています。
もちろん完ぺきなツールはないです。レコード量が膨大なアプリではすべてのレコードを読みだすのに時間がかかります。得意な領域があるので、検索が必要な一覧で使用する、と使いどころを定めれば、とても快適なkintoneの一覧画面が手に入ると思います。

⑤kintone添付ファイル表示プラグイン

kintoneでアプリ開発を始めれば最初は誰もがお世話になるTiSさん。
手順書や記録をkintone上で管理している当社ではこの添付ファイル表示プラグインは貴重です。添付ファイルフィールドに保存しているPDFファイルをいちいちダウンロードすることなく、プレビューで見ることが出来、情報共有のスピードが毎回数秒変わってきます。
この機能がなければ文書管理をkintoneでしようとは思わなかったと思います。
「これ、基本機能であったらいいのに…」をプラグインで実現するのがTiSさんのプラグイン。
そのほかにも「kintone項目選択フィールド連動各種設定プラグイン」。事業部が二つある当社が、一つのアプリで業務フローを回すときには、事業部を選択したときにグループの開閉ができる機能はとても重宝します。
他にもkintoneが使いやすくなるプラグインは多いです。

⑥条件書式プラグインEX

これは、フィールドの値に応じてフィールドの色を変えたり太字にできたりするプラグインです。
これがあることで「期限が過ぎたものは赤くする」であったり「今日作業したロットを黄色く表示する」と言ったことが実現するので、ユーザーの仕様体験がとてもよくなります。
(これこそ基本機能でしてくれたらええのに…)
無料です。

以上です。
kintoneの活用事例は、インターネットを調べればどんどん出てきますのでぜひそちらをご覧ください。
ここにあるプラグイン以外にも多くの良いプラグインがいっぱいあります(開発者の方々、本当にありがとうございます)。
誰かひとりにとって、一つ役に立つ情報があれば幸いです。

わぁわぁ言うとります。お時間です。さようなら。

大阪市在住の89年生まれ 父親経営の中小メーカーに在職。 グロービス経営大学大学院卒業 事業承継や、組織の変革、文系から見た社内システムの構築について掲載予定 好きなもの:サッカー(ガンバ大阪ファン)、漫画(オールジャンル)