解決に導く「ミラクル・クエスチョン」がクライエントワークを変える。ー基礎知識と実践を通じて見えた注意点ー
読んでくださり、ありがとうございます♪
10本目の記事を迎える事が出来ました(^_-)-☆
こうして読んでくださったり、イイねを頂いて嬉しい限りです。
組織開発や問題解決を中心にその理論と手法を体験的に探究しています。仕事は、日系最大手のIT企業で務める傍ら、友人と小さな会社を営んでいます。手段(マーケディング・財務・組織開発など)は問わず、人や組織の問題を解決に導くことを生業にしています。
この記事では、あらゆる問題を解決に導く「ミラクル・クエスチョン」について、一緒に探求できれば幸いです。
是非、最後までお付き合いください~!
そもそも「ミラクル・クエスチョン」とは?
一言で表すと
”非現実的な質問を投げかけクライエントの問題を解決する手法”
です。
インスー・キム・バーグらによるミラクル・クエスチョン
ミラクルクエスチョンは、心理療法家の夫婦であるインスー・キム・バーグとスティーブ・ド・シェイザーを中心に開発されました。
両者は1978年、 ウィスコンシン州ミルウォーキーにブリーフファミリーセラピーセンター (BFTC)を設立し、短期集中療法を発展させていきました。
↑上記がミラクル・クエスチョンです👏
※ミラクル・クエスチョンを効果的に行うための導入発言は後述。
なんだ!?急に夢物語の話か!?と慌てず読み進めていただければ(笑)
ミラクル・クエスチョンが生まれた経緯
起源は諸説あると思いますが、インスー本人はこう述べています。
更に面接を重ね、クライエントにとってやりがいのある目標をたてることができた。この経験からミラクル・クエスチョンが生まれ、インスーと同僚たちは常にこの質問を使うようになったそうです。
ソリューション・フォーカストアプローチとブリーフセラピー
少し話は変わりますが、ミラクル・クエスチョンはソリューション・フォーカストアプローチやブリーフセラピーの中で手法として度々使われます。
個人や法人、組織に対して問題解決を実施する際によく参照される手法なので、興味ある方はこれら手法も調べてみてください!私はソリューション・フォーカストアプローチを学ぶ際にミラクル・クエスチョンと出会いました!考え方というか、スタンスの取り方が好きなアプローチです。
ミラクルクエスチョンのここがすごい!
①目標の方向性が明確になる
クライアントは奇跡に関する質問により、無限の可能性を考えることができる。何かに悩んでいると目先のことで頭が一杯になってしまいますが、無限の可能性を考えることで目標の方向性が明確になります。
②積極性が増す
未来への積極的なイメージは、行動力を向上させることが心理学の研究で分かっています。将来像を描いてそこから逆算する「バック・キャスティング」などの手法は具体例として分かりやすいと思います。未来についてポジティブな思考をすることで、積極性や主体性が向上します。
③解決の糸口を見つけられる
まずは非現実的な解決策が浮かびますが、その後のクライエントワークで奇跡的な未来と現実のギャップの差異を明確にし、解決策を導きます。この過程の中で、具体的な解決策や優先順位を設定することが期待できます。
これ以外にも利点は複数あると思いますが、とりわけ、現在と過去に向けられていた焦点が、「望ましい将来」(Geroge, Iveson &Ratner, 1999)に向けられ、ポジティブに前に進む手助けをすることができます。
「ミラクル・クエスチョン」を実践してみた
実際にクライエントに実践すると、想像以上のパワーに驚愕(笑)
これは、実際にプロセス・コンサルテーションの手法を中心に支援(月に一度の面接を担当)させて頂いているクライエントとの事象を抽象化したものです。SFAについて学び始めミラクル・クエスチョンについて本やビデオで学んですぐの出来事でした。私もクライエントもその日のうちに効果を実感できたので、この効果に驚愕でした。
ミラクル・クエスチョンの失敗
私は、いざ実践しようとしても、うまくワークしないことがあると感じました。ポイントは2つあると思います。
1つ目は、効果や意図を正しく伝えられない状態でミラクル・クエスチョンを行うことです。対話に適した環境(※1)の整備が不足していたり、重要な話に入るための導入性セリフを忘れてしまうと、ミラクル・クエスチョンの効果を感じれませんでした。話がアッチコッチに飛び、最終的に何の時間か分からなくなってしまいました。
インスー氏は「この質問はゆっくりと大げさに尋ねるのが最も良い」としています。
もう1つは、ミラクル・クエスチョンは切り出しの言葉に過ぎないということです。この質問を過信してしまい、その後の対話をうまく構築できないと、効果は感じられませんでした。重要なのは気付きを与え、主体的に考える支援をするために対話を続けることです。インスー氏は「クライエントが満足のいく将来のイメージを表現できるように質問を続けること」が大切としています。
最後に、これら関係性を築くうえでの根本的な考え方である、介入の方法を分類してものを共有させて下さい。あなたがどのスタンスを取るべきか考えるヒントにして頂ければ幸いです。
企業文化は質問紙や数値で測定し分析することはできない。企業文化を理解するには、文化人類学的手法をとるしかないとシャイン博士は述べています。これは個人事業主やスモールビジネスオーナーに対するアプローチにも通ずるところはあると思います。ただ、プロセス・コンサルテーションを実践していても、時には専門家の立場を求められることもあります。これら踏まえて、自分はどのようにクライエント・リレーションを構築するか、また考えに耽るわけであります。笑
今日はこれくらいにして、仕事に戻ります。
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↓参考文献↓
クライアントの解決の構築に向けて援助者が繰り返し学習できるよう構成された本書は、解決構築特有の質問を文脈に応じて適用するために身につけておくべき基本的な形式を網羅し、実践上のヒントをふんだんに盛り込んだ最も信頼できるテキストである。第4版は豊富な面接事例と平易な解説はそのままに大幅なアップデートがなされ、解決構築のパラダイムを基盤に、コミュニケーション分析の進展から技法と理論はよりコラボレイティヴに、新たな成果研究によって実践はよりエビデンス・ベイスに進化した。
いま、なぜHRMは変わらなければならないのか。HRMの役割変化を理解し、そして組織変革へと導く方法とは!シャイン博士による、組織開発に際してのプロセス・コンサルテーションの実際の運用方法も伝授。
あらゆる対人援助職に必要な面接技術。
本書は前半を相談面接技術の理論的解説、後半を実際に行われた面接の逐語録にもとづくポイント解説という構成をとり、「面接技術の身体化」をめざす。相談援助職のスキルアップや大学等での面接技術演習のサブテキストに最適な一書。
本書は、ソーシャルワーク臨床の原点である「援助関係」の基礎を論じ、約40年間読み継がれてきた古典的名著である。今版は、旧訳の原則名を併記するとともに、「英国版への助言」及び更なる改訳を加えたことにより、バイステックの示した援助関係の意義・関係形成の技法が、より鮮明となり理解を促す。
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