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【読書】あなたの言葉を〜辻村深月〜

正直、良さがわからなかった。
なんの言葉も刺さってこなかった。

それでもnoteの記録に残そうと思ったのには、理由がある。

自己満足かもしれないけれど、
ちょっとでも自分や誰かに気づきがあるのなら、
書こうと思った。

読んでほしい、というおすすめよりかは、
この本を読んだあとの私の独り言として、
読んでくれると嬉しい。


辻村深月さんのエッセイ


かがみの孤城や、傲慢と善良を読んで、いいなと思った辻村深月さん。

いじめのことや、家庭のこと、いろんな小さい頃のモヤモヤ。
あの頃は、どうにもならなかったこと。

そんなモヤモヤを、ちょっと違う角度から物語として書いて、
その出来事に関わる多くの人の視点や感情をつなげて、絡めて、
ちょっと心に傷跡を残しながらも明日もまた頑張ろう

と思えるような物語を書く小説家。

この本は、2020年から2024年の、毎日小学生新聞の月一コラム、
辻村さんのエッセイをまとめたもの。

お金出してまで、買うかどうか迷ったけれど、
どこか引っ掛かかって、購入した。
その時から、もう3ヶ月以上過ぎてから読んだ。

ちょっとだけ、私の独り言に付き合ってください。

独り言① 刺さらなかった、けど、それって…

「刺さらなかった。心の変化がなかった。」

本の感想を、そう人に伝えようとしようと思ったとき、新たな気づきが生まれた。

もしかして、これって、私って、
今まで様々な考え方を持った仲間や大人に囲まれて生きてきた幸せものなのかな
という気づきだ。

もしくは、新しい発見がなくて心の変化がなかったとすると、
自分自身が辻村さんと似た人間なのかな
という気づき。

どちらでもいい。

この感情は初めてではない。
他の世の中的に称賛されている、コーナーで平積みになった本を読んだ時も、
同じような感情になった。

そんなの自分にとっても当たり前だよ。
何も学びがなかったなぁ…
みたいな。

なぜこれが世の中で必要とされるんだろう?という不思議な感覚を持つのである。

"普通であること"を強制されない、自由な人生を生きてこれたからかもしれない。
"小さい頃から本だけは何冊でも買ってくれた"父親のおかげかもしれない。

たくさんの"価値観"に触れる機会があって、
どれもほとんど拒否することなく、受け入れてきた、
そんな自分の人生だったからかもしれない。

とにかく、全然刺さらなかった
けど、それって幸せなことだな、と思った。

内容として新しい発見がある本も大事だけど、
何かに気づかせてくれる本も同じくらい大事なのかな

ちょっと新しい本の楽しみ方をさせてくれた本だった。
一番に共有したいのは、このどうにもならない感情。
でもその感情には意味があるのではないか、ということだ。

独り言② 友達のはなし


ずっとそばにいることだけが、友達じゃない。
そんな記述が本の中にある。

最近、小・中学校の頃の友人と8年ぶりに京都で会った。

小学校の頃、ほぼ毎日放課後に遊んでいた男友達の中の1人だった。

彼に会った瞬間、全然懐かしくなかった。
8年も会ってないのに、昨日まで会ってたかのような安心感。
その人が何してようと気にならないし、自分のことも飾ろうとしない。

ありのままでいていいんだ、という妙な心地よさがあった。

連絡全く取り合ってなかったし、
高校も大学もどこに行ったか知らなかったけど、
友達のままだった

嬉しかった。

環境が変わると、今までの友達がなかったみたいになったりする。

けど、きっとそういうものなんだと思う。

ずっと同じ友達がいる人のことを、
羨ましく思うこともあれば、
私って友達のこと大事にしてこなかったのかな、と不安になることもある。

違うと思う。

その時その時で友達を大事にしてきて、たくさんの気づきがお互いにあって、
今の自分が作られていると思うから。
自分の中に、友達はいる。

本当に辛くなった時、何かの節目の時、
昔の友達がふらっと現れることがあるような気がする。

だから、ずっとそばに誰かがいてくれること、
ずっと同じ友達がいることだけが、
友達ではないんだなって私も思った。

独り言③ 苦手と嫌いは違う


何かができないことがすごく嫌い。

人に対する負けず嫌い以上に、何かができない自分に対する負けず嫌いが強い私。

超不器用だから、苦手なこと多くて。
苦手を克服しようとして、頑張ってきたことがいっぱいある。

陸上も、運動が苦手だったから、始めたし続けた。

勉強も、あんまり得意じゃなかったから、20回くらいワークや問題集やって、なんとかみんなに追いつこうとした。

楽しかったけど、楽しくなかった。

大学生になって、自由な時間が増えて、
運動も勉強も、嫌いなんじゃなくて、苦手なんだと気づいた

大学生になって、自由な時間があると、ヨガしたり、自転車でかけまわったり。
家には500冊を超える本が大学生になってから増えたし、
卒業に必要のない授業も他学部聴講するほどに好奇心旺盛だったし。

高校までで求められることが、自分の好きや得意と一致しなかった
それだけなんだなぁ、ってことに気づいた。

できる、できない、ということは、好き、嫌い、とは一致しない。

だから、本当は好きなことを、できないという理由だけで、
嫌いという枠に押し込めてはいけないかも。

できなくても、好きでいていい。

みんなと比べて嫌になることもあるけれど、
自分の好きな気持ちを大事にして続けてたら、そのうち、
できるだけで続けている人がしんどくなって、好きな人が勝つようになると思う。

あと、好きなことには成長を求めなくていいとも思う。

自分が好きなことを大事に、
私だったら、苦手でできない昔の自分に勝つことが好きだから、
人と比べたらできないままでも、そういう自分の態度を好きでいようと思う。


あんまり、縛られずに、これからも楽しく生きよう。

エッセイを読んで心は動かされなかったけど、
この振り返りを書くことができた辻村さんエッセイに感謝です☺️♡












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