詩「人間アレルギー」
僕は人が苦手である
人が走る 人が勉強する 人が歌う
全部苦手だから大嫌い
このまま一人で生きていたい
誰とも手を繋がず キスもせず 交わらず
いや 大してモテないから無理か
人を見ることすらできなくなった
人を見ると頭痛がして あらゆる欲が消える
生きることが億劫になる
僕は翌日から引きこもった
電話の電源を切って 布団を被り ただ泣いた
初めて死にたいと思った
僕は真夜中にコンビニに出かけた
美しい女性を見た 彼女は店員だった
僕に優しく声を掛けてくれた
「有難うございました。またお越し下さいね」
彼女が忘れられなかった
店員だが神のようだった
僕は客じゃなくて 一人の人間になり果てていた
あともう少し生きてみよう
生きていれば希望は生まれる
また 神の店員と逢えるかもしれない
【了】