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真夜中の遊戯(400文字小説)

  仕事が終わり、帰宅し、すべてが終わる二十二時。
 疲れた身体でベッドに潜り込み、私はスマホに手をのばす。届いた連絡をひと通り読み、決まって一通の連絡にだけ返信をする。あとは気まぐれ。

 言葉を交わし、紡ぎ、時には遊び、心は跳ねる。踊る。取り留めなく交わす文字の数。時に文字を足して引いて...
  暗い部屋で、幾度と光る四角い窓。
  2人は毎晩、文字で遊戯する。

 月が高くのぼり、小さく見える二時半。眠い目を擦り送る「おやすみ」「またあした」は、その日の終わりを告げる合図。
 一人私は、いつかの二人で見上げた夜空を思い浮かべ、そこにその人はいなかった記憶を辿る。耳元に触れ、残る声に、その人がそこにいた記憶をなぞる。

 心までは満たされぬまま想いを胸に、広いベッドの上でそっと、瞼に力を込め眠りにつく。
 布団の中、互い別々の想いを馳せ、二人は遊び疲れて眠りにつく。家の外、今宵も静かに満月は空に浮かぶ。

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