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第六天魔王夫婦喧嘩考 後編

(登場人物)
・織田信長 (おだのぶなが)
 23歳 尾張の戦国大名。

・濃姫(のうひめ)
 22歳 斎藤道三の娘。信長と結婚。

・斎藤道三(さいとうどうさん)
 63歳 美濃の戦国大名。
 長良川の戦いで戦死。

・斎藤義龍(さいとうよしたつ)
 30歳 道三の養子。父は土岐後と言われてい
 る。長良川の戦いで、道三を戦死させる。


前編のお話しであるが、信長が斎藤家を滅ぼすが、もう少し後の話である。

斎藤道三を殺したのは養子の斎藤義龍である。
道三は晩年に男の実子が生まれ、その子に跡を継がせようと知った斎藤義龍は、反旗を翻した。道三はこの戦いの時に、長良川のほとりで戦死するが、信長は道三を助けるために出兵している。

この後も信長と義龍は追いつ追われつに死闘を繰り返すが、信長の旗色は常に悪く、義龍の子、龍興の代で、斎藤家を滅ぼした。
信長は濃姫の為に、義父 斎藤道三の仇を討ったのである。こうなると前編の話は作り話と思われる。

よく読んでみる時史実からもおかしい。
信長の居城は尾張清洲城、道三の居城は美濃稲葉山城で、距離からみても離れすぎている。
信長と濃姫の話もいい加減だ。
まず信長はスケールが大きいので、こんな小細工はしないと思う。
このことから前編の話は一応否定されて、信長、濃姫夫婦にとっても喜ぶべきことであろう。

しかし、この話の全てが荒唐無稽の作り話ではない。
これは戦国時代の時代背景にも原因があるみたいだ。

当時の結婚は、特に大名たちに限って言えば、家と家との交渉であり、女性の方は実家の利益代表として送り込まれる。
これが結婚ということなので、少し過激ですが、彼女たちは「セックスを伴う実家側の外交官」ということになっている。

濃姫の場合は、デマや密書を送るなどやりとりは正に外交官そのものである。全国の大名の間にはこれとら同じことがなかったとは言えない。斎藤家の代表として、立派に振る舞っていたことでしょう。

濃姫はこの後、表舞台に出てくることは無い。

信長との子供がいなかったこともありますが、
死亡説、早死説などは様々である。資料が乏しいので、はっきりしたことはわかりません。

僕は本能寺の変での戦死説が話としては好きですね。
濃姫遺髪塚が岐阜にあるみたいですよ。

信長は本能寺の変で49歳、濃姫は48歳です。
この時代にしては年の近い夫婦なので、同級生感覚で話していたのか?濃姫の方が信長を引っ張っていたのか?

歴史は史実だけでなく、たらればの空想で考えるのも楽しみの一つと思ってます。

戦国時代の良い夫婦であって欲しいと願ってます。

(終わり)

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